0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『嬢王ゲーム 女の下剋上決戦 第2章』

山内大輔『嬢王ゲーム 女の下剋上決戦 第2章』、

場末のスナックでアルバイトしている桜井あゆは、ある日、栄えていた時代の六本木の伝説のキャバクラ「Red Dragon」の常連客だった男から、もうすぐ店が再開される話を聞くが、その時、かって店が休業する原因となった、太客が元No.1キャストだっためぐりに刺された事件についての話を聞く。

その後桜井は、再開した「Red Dragon」にキャストとして入るが、伝説のキャバクラ再開のため、キャバ嬢は極嬢ばかりで桜井は凌ぎを削る。




シリーズ2作目。

お話は1作目から繋がっているが、主演は桜井あゆに変わって、全くリニューアルしたような続編。

1作目のラストのめぐりによる事件で、店は営業停止になり、それを再開した店で桜井が働くお話。

冒頭の場末のスナックで、客と援交もやっているらしい桜井が、乳首を吸われすぎてヒリヒリするので、乳首に絆創膏貼ってくれとかやたら下品なことを言っているのに、伝説のキャバクラではシレッと上品ぶったキャストに転身するところに、お水女の裏と表が出ていて、ちょっとリアルである。

そこからは、元伝説のホストで店のオーナーの、実は桜井とはある因縁がある竹本泰志との話になっていくが、基本、そっちの話の方が最終的にはメインになっていく。

だが今回もキャバクラ世界の女の抗争は描かれ、芸能界を夢見る、桜井と仲の良いキャストが桜井側についたために、森羅万象の社長に犯され、怒った桜井が森羅万象と、ハメた対立するキャストに暴力的に報復したりする。

また竹本が高額で引き抜いたキャストは愛人になるが、竹本にマジ惚れしすぎてドロドロした情念をぶつけてきたりと、この手の題材らしい挿話が幾つか描かれている。

山内大輔らしさが少しは出ているが、全開というほどでもない。

それでも様々な挿話が絡んで、そこそこは見てられる一篇。 2017/07/29(土) 01:33:39 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『フルスロットル』




カミーユ・ドゥラマーレ『フルスロットル』再見、

デトロイトは無法の街と化しており、そこで潜入捜査をしていた刑事のポール・ウォーカーは、捜査していたマフィアが、中性子爆弾を強奪し起動させたことを知る。

爆発までのタイムリミットは10時間。

そんな中、恋人をマフィアに拉致され怒る男ダビッド・ベルと荒っぽい出会い方をしたポールは、共にデトロイトの300万人市民を守るために手を組む。

なんとかマフィアを追い詰めようと暴れ追撃する二人だが、しかしこの事件の裏には、政界が絡む大きな陰謀が隠されていた。






リュック・ベッソン製作・脚本の仏映画『アルティメット』を、2〜3倍の予算でハリウッド・リメイクしたフランス&カナダ製の合作アクション映画。

ベッソンはこちらでも脚本を担当している。

2013年に自動車事故で亡くなったポール・ウォーカーの、亡くなる前に作られた遺作である。(映画本編終了後には、 ”ポールの思い出に捧ぐ”と追悼の意が示されている)

ポールはカーアクションからガチンコアクションまで自ら演じ、『アルティメット』に出ていたパルクールの第一人者ダビッド・ベルが、ポールの相棒役でこちらにも出ており、二人とも気合いの入ったアクション演技を見せている。

監督のカミーユは、これが長編映画デビュー作だが、全体的にリズム感あるテンポのいい展開で描き、ガチンコアクションにもスピード感があり、中々メリハリのあるノンストップ・アクション映画に仕立てている。

そう複雑な話ではないし、全編アクション、アクションで会話しているような映画なので、ガチンコアクションシーンのスピード感と迫力が一番目立つ。

ポールはガチンコアクションシーンもカーアクションもかなり決まるし、相棒のダビッドのかなり独特な肉弾アクションにも引けを取っていない。

終盤にはラスボスと思われたマフィア組織のボスRZAの真相が明らかになり、謂わば善悪がひっくり返る展開となるが、その辺もわりとスピーディに描かれている。

なんとなく、昔のアクション劇画を思い出させるような映画だが、飽きさせない面白さは十分ある一篇。

2017/07/25(火) 00:05:34 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

『野球拳キャノンボール』




ジェイ・ジェイ・コブラ『野球拳キャノンボール』、

ある日、女子高生の川原里奈は謎めいた密閉空間で目を覚ます。

そこには他に看護師の川菜ひかると会社経営者の桃井りかがいた。

何がどうなってるのか理解できない3人だが、オラ様と名乗る奇怪な喋る人形がモニターに映り、3人に向けて野球拳を強要する。

ジャンケンで負けると衣服を脱ぐというゲームだが、それは全国で放送され、視聴者の賭けの対象となっていた。

3人は鼻先に賞金を突きつけられ、そのために野球拳に参加するが、それはただの野球拳ではなかった。




野球拳バトルロワイアルもののような作品。

野球拳に負けると脱がされるだけでなく、同時に3人がそれぞれ抱える事情や問題が明らかになっていき、関係者の男が出てきて、3人は罰ゲームのような拷問や罰を受けるのだが、ややこしい状況説明をごちゃごちゃするわりに、順々に罰ゲームを受けていく展開が単調で、結局それだけの話である。

一見純情そうな川原里奈も、ワケありな看護師の川菜ひかるも、ぽっちゃり爆乳体型の傲慢な女社長役の桃井りかも皆役に合ってはいるが、大してエロがあるわけでもなく、まるで退屈なバラエティ番組みたいな映画である。

展開がわりと早いので、最後まで見てはいられるし、あからさまにつまらなくもないが、あんまり大したことはない一篇。 2017/07/22(土) 03:30:51 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『アンアフェア 婦人警官の出番、再び!!』




廣田幹夫『アンアフェア 婦人警官の出番、再び!!』再見、

城南署婦人警官の鈴木杏里は、エンマネットの事件に関わり、その裏組織が多くは逮捕されて、その後所轄内でそのことが話題になっているのを聞いていた。

しかし、エンマネットの騒動が新たな事件を引き起こす。

エンマネット創設者のなかみつせいじは用心深く姿を隠しており、警察は事件を究明するために、裏組織は口封じのために、それぞれなかみつを探していた。

だがある日、事件の重要参考人から、鈴木のところに殺された女性の遺書とコインロッカーのキイが届けられる。

事件の捜査を始める鈴木は探索の果てにロッカーを見つけるが、ロッカーの中には麻薬が入っていて、死んだ女との関係を鈴木は考えるが。





鈴木杏里主演の女警官を主役にしたサスペンスアクションシリーズの2作目。

ドラマ『アンフェア』をベースにして、ユルくしたようなテイストである。

前作でカタがついたはずの事件の真相が明かされるパート2。

鈴木杏里は超美人のルックスがどんなダサい格好をしても決まるし、役にも合っている上、必然性のない絡みのシーンまで演じるサービスぶりで、またまた中々好演している。

鈴木杏里ほどのクールビューティーがせっかく女刑事役で主演なんだから、もうちょっとハードなアクションやクールなガンアクションなどがあってもいいと思うが、全体的にひたすらオフビートでコミカルなテイストで描かれていて、それがまあ、取り立てて悪いというわけでもないが、副作用としてサスペンス映画的な内容をヌルく弛緩させてしまっているところがある。

せっかく主演の鈴木杏里以下、登場人物のキャラが立っていて、お話だって多少蛇行するのだから、もうちょいサスペンスフルな緊迫感があってもよさそうなものだが、結局あらゆるシーンが半端にユルくて、それが作品自体をも中途半端なユルい出来にしてしまっている。

奇妙なモノローグシーンみたいなのがイチイチ挿入されるところは悪くないが、その手の描写を含む流れも、もうちょっと面白く出来そうでイマイチ面白くなっていない。

鈴木杏里は中々良いし、あからさまにつまらなくもないが、しかし随所に残念さを思わせる一篇。 2017/07/18(火) 00:29:55 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『パニック・トレイン』




オミッド・ノーシン『パニック・トレイン』、

医師のダグレイ・スコットは息子と一緒に深夜の列車で帰宅しようとしていた。

だが、停車中に何者かがブレーキを操作していることをダグレイは訝しむも、列車は走り出す。

走行中、つい眠っていたダグレイは列車が止まらないことに気ずき、車内のインターフォンで運転室に知らせるが、何故か乗客の数を聞かれる。

列車の乗客は、ダグレイと息子、車内でダグレイと仲良くなったカーラ・トイントン、マナー違反をやらかし揉めていた男と老いた銀行家、それに心臓が悪い老女の6人だった。

どうやらブレーキが利かない列車は、今や謎の男が操縦しており、踏切りの車にも突っ込んで、ひたすら暴走しているようだった。

ダグレイらは暴走列車を止めようと動き続けるが。






暴走列車を止めようとする乗客たちを描いた、英国インディペンデントのノンストップ・パニック・サスペンスアクション映画。

なんでも、500ポンドの超低予算でトレーラーを作ってネットで投資を募り(クラウドファンディングか?)、その後約250万ドルで作られた映画らしい。

パニックアクション映画としては低予算なため、撮影技法を工夫して撮影され、この手の映画に付き物の乗客の家族だとか警察や特殊部隊や鉄道会社の描写などは一切なく、ただ暴走する列車という密室内での少数の乗客たちの奮闘ぶりをサスペンスフルに描いている。

2013年の英国インディペンデント映画賞でダグラスヒコックス賞(新人監督賞)にノミネートされている作品。

まあそんなわけで、低予算ゆえに登場人物が限られるため、こんな非常事態に鉄道会社や警察は何をやってんだ?という疑問はあらかじめ不問に付しているような映画である。(苦笑)

おまけに暴走列車を操縦する犯人すらロクに描かれず、どうやら自殺願望の男が乗客を道ずれにした自爆行為ではないか、と想像されるだけで、結局最後まで犯人も犯行動機もはっきりしないまんま終わってしまう。

要は密室状況での乗客たちの奮闘と人間ドラマだけが描かれているのだが、仲の悪かった乗客たちが徐々に暴走列車を止めようと協力し合うようになる描写は一応悪くない。

しかしそれにしても、客席横の扉のようなものが走行中に開いてしまうタイプの列車らしくて、少年が一瞬落ちそうになるのだが、イギリスにはこんなクソ危ない列車があるのだろうか。

最後の列車の連結切り離しのアクションシーンが最大のクライマックスであり、そこが一番パニックアクション映画らしい場面だが、そこも低予算映画らしい頑張り方で描かれている。

まあトニー・スコットの遺作にして傑作『アンストッパブル』ほどの映画ではないが、それなりにうまくまとまっているし、そう飽きさせない映画にはなっている、悪くない一篇。 2017/07/15(土) 03:47:39 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)
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