0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『民暴2』




貝原クリス亮『民暴2』、

木下ほうかは上司に不正を強要され、それが嫌で役所を辞め、たまたま助けた白竜のヤクザと知り合ったことで、カタギを守るヤクザ案件専門のコンサルタントを始める。

恋人の弁護士の紗綾と白竜の協力を経て、いくつもの案件を解決していくが、白竜がバックにいることから警察は木下に睨みを効かし
、白竜と対立する組には狙われ、ある時、中年のしがない鉄砲玉の仁科貴に一緒にいた紗綾が刺される。

復讐に燃える木下は、報復の実行部隊である白竜の子分に混じって自分も手を汚して紗綾の仇を取ろうとするが。





ドラマやTVバラエティーでの嫌な上司役でブレイクした木下ほうかが主演の、シリーズ2作目。

元々この手の題材では嫌な刑事やヤクザ役が脇で多かった木下だが、類似するキャラでTVでブレイクすると、その後温厚な善玉キャラになって主演するというのも不思議な話だが、まあ役者として、ちょっと出世した主演作という感じである。

基本は善玉ヤクザの白竜、木下側が悪徳ヤクザと対決し、そこで木下がメインで活躍するという勧善懲悪的展開である。

とは言え、白竜側は報復するとなったら容赦なく殺しまくり(紗綾は怪我で済んだのに)、仁科貴が父・川谷拓三が生前得意としたような、しがない中年のうだつの上がらない、気の弱い鉄砲玉役を好演しているものの、そんな訳ありな仁科すら容赦なく殺してしまうほどで、白竜自体も大組織の中で親分の成瀬正孝に怖れられる凶暴なキャラとして描かれている。

ただ紗綾の復讐のため、自ら報復の実行部隊に入りたがった木下が、金に困って紗綾を刺した仁科の残された大村渓の妻や子供のために、金を届ける温情描写を最後に入れてはいるが。

恋人関係にある紗綾と木下がイチャつくシーンには、まるで木下がアドリブかまして紗綾が笑いを堪えながらやり取りしているような素の感じが出ていてちょっと面白いが、全体的にはまあまあな一篇。 2017/08/19(土) 00:06:39 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『インキュバス 夢に犯された女』




笠木望『インキュバス 夢に犯された女』、

カメラマンの希志あいのは新しいマンションに引っ越すが、そこで暮らすようになってから希志は異変に気付く。

睡眠から目が覚めると、何故か身体に謎の痣が出来、それは日に日に増えていったのだった。

そしていつも、下腹部に性行為後のような感覚が残っていた。

希志は隠しカメラをセッティングして、寝ている時の自らの姿を撮影するが、そこには自身が見知らぬ男=大迫茂生にレイプされているような光景が映っていた。





インモラルなホラー映画。

途中、希志が自分を隠し撮りした映像に大迫が映っているので、単純な夜這いレイプものか、と思わすが、大迫はレイプ犯ではなく、真相はもっと異様なものだったりする。

そう短絡な展開ではないところはいいのだが、一見献身的に見えた希志の彼氏の裏の顔やら、隠し撮りした映像に映っていた大迫の正体や真相が明らかになっていく後半の展開にイマイチ醍醐味がないので、妙に散らかった展開描写のように見えてしまうのが惜しい。

サブタイトルにあるような、夢魔=インキュバスに希志が取り憑かれていることが、はっきりとは描かれず、散らかった描写の中の1パーツの挿話のように見えてしまうのもクライマックスとしては弱い。

もうちょっと展開の醍醐味や、様々に巻き起こる事象や挿話をちゃんと整理して描き展開させれば、多少は面白くなったかもしれないが、どうにも突散らかった終盤となっているところが難点である。

希志あいのはわりと好演している方だし、ホラーには向いている個性の大迫茂生も中々いい味なのだが、やはりクライマックスに向けての描写が、迫力を出そうとするほどに、少々散漫になるところが弱い一篇。
2017/08/01(火) 00:05:40 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『嬢王ゲーム 女の下剋上決戦 第2章』

山内大輔『嬢王ゲーム 女の下剋上決戦 第2章』、

場末のスナックでアルバイトしている桜井あゆは、ある日、栄えていた時代の六本木の伝説のキャバクラ「Red Dragon」の常連客だった男から、もうすぐ店が再開される話を聞くが、その時、かって店が休業する原因となった、太客が元No.1キャストだっためぐりに刺された事件についての話を聞く。

その後桜井は、再開した「Red Dragon」にキャストとして入るが、伝説のキャバクラ再開のため、キャバ嬢は極嬢ばかりで桜井は凌ぎを削る。




シリーズ2作目。

お話は1作目から繋がっているが、主演は桜井あゆに変わって、全くリニューアルしたような続編。

1作目のラストのめぐりによる事件で、店は営業停止になり、それを再開した店で桜井が働くお話。

冒頭の場末のスナックで、客と援交もやっているらしい桜井が、乳首を吸われすぎてヒリヒリするので、乳首に絆創膏貼ってくれとかやたら下品なことを言っているのに、伝説のキャバクラではシレッと上品ぶったキャストに転身するところに、お水女の裏と表が出ていて、ちょっとリアルである。

そこからは、元伝説のホストで店のオーナーの、実は桜井とはある因縁がある竹本泰志との話になっていくが、基本、そっちの話の方が最終的にはメインになっていく。

だが今回もキャバクラ世界の女の抗争は描かれ、芸能界を夢見る、桜井と仲の良いキャストが桜井側についたために、森羅万象の社長に犯され、怒った桜井が森羅万象と、ハメた対立するキャストに暴力的に報復したりする。

また竹本が高額で引き抜いたキャストは愛人になるが、竹本にマジ惚れしすぎてドロドロした情念をぶつけてきたりと、この手の題材らしい挿話が幾つか描かれている。

山内大輔らしさが少しは出ているが、全開というほどでもない。

それでも様々な挿話が絡んで、そこそこは見てられる一篇。 2017/07/29(土) 01:33:39 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『野球拳キャノンボール』




ジェイ・ジェイ・コブラ『野球拳キャノンボール』、

ある日、女子高生の川原里奈は謎めいた密閉空間で目を覚ます。

そこには他に看護師の川菜ひかると会社経営者の桃井りかがいた。

何がどうなってるのか理解できない3人だが、オラ様と名乗る奇怪な喋る人形がモニターに映り、3人に向けて野球拳を強要する。

ジャンケンで負けると衣服を脱ぐというゲームだが、それは全国で放送され、視聴者の賭けの対象となっていた。

3人は鼻先に賞金を突きつけられ、そのために野球拳に参加するが、それはただの野球拳ではなかった。




野球拳バトルロワイアルもののような作品。

野球拳に負けると脱がされるだけでなく、同時に3人がそれぞれ抱える事情や問題が明らかになっていき、関係者の男が出てきて、3人は罰ゲームのような拷問や罰を受けるのだが、ややこしい状況説明をごちゃごちゃするわりに、順々に罰ゲームを受けていく展開が単調で、結局それだけの話である。

一見純情そうな川原里奈も、ワケありな看護師の川菜ひかるも、ぽっちゃり爆乳体型の傲慢な女社長役の桃井りかも皆役に合ってはいるが、大してエロがあるわけでもなく、まるで退屈なバラエティ番組みたいな映画である。

展開がわりと早いので、最後まで見てはいられるし、あからさまにつまらなくもないが、あんまり大したことはない一篇。 2017/07/22(土) 03:30:51 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『アンアフェア 婦人警官の出番、再び!!』




廣田幹夫『アンアフェア 婦人警官の出番、再び!!』再見、

城南署婦人警官の鈴木杏里は、エンマネットの事件に関わり、その裏組織が多くは逮捕されて、その後所轄内でそのことが話題になっているのを聞いていた。

しかし、エンマネットの騒動が新たな事件を引き起こす。

エンマネット創設者のなかみつせいじは用心深く姿を隠しており、警察は事件を究明するために、裏組織は口封じのために、それぞれなかみつを探していた。

だがある日、事件の重要参考人から、鈴木のところに殺された女性の遺書とコインロッカーのキイが届けられる。

事件の捜査を始める鈴木は探索の果てにロッカーを見つけるが、ロッカーの中には麻薬が入っていて、死んだ女との関係を鈴木は考えるが。





鈴木杏里主演の女警官を主役にしたサスペンスアクションシリーズの2作目。

ドラマ『アンフェア』をベースにして、ユルくしたようなテイストである。

前作でカタがついたはずの事件の真相が明かされるパート2。

鈴木杏里は超美人のルックスがどんなダサい格好をしても決まるし、役にも合っている上、必然性のない絡みのシーンまで演じるサービスぶりで、またまた中々好演している。

鈴木杏里ほどのクールビューティーがせっかく女刑事役で主演なんだから、もうちょっとハードなアクションやクールなガンアクションなどがあってもいいと思うが、全体的にひたすらオフビートでコミカルなテイストで描かれていて、それがまあ、取り立てて悪いというわけでもないが、副作用としてサスペンス映画的な内容をヌルく弛緩させてしまっているところがある。

せっかく主演の鈴木杏里以下、登場人物のキャラが立っていて、お話だって多少蛇行するのだから、もうちょいサスペンスフルな緊迫感があってもよさそうなものだが、結局あらゆるシーンが半端にユルくて、それが作品自体をも中途半端なユルい出来にしてしまっている。

奇妙なモノローグシーンみたいなのがイチイチ挿入されるところは悪くないが、その手の描写を含む流れも、もうちょっと面白く出来そうでイマイチ面白くなっていない。

鈴木杏里は中々良いし、あからさまにつまらなくもないが、しかし随所に残念さを思わせる一篇。 2017/07/18(火) 00:29:55 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)
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