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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『エミリ』




藩平太郎『エミリ』、

養護施設で育った恵美里=つぼみは、佐々木麻由子夫婦に引き取られる。

しかしつぼみは徐々に佐々木に反抗するようになり、逆に自宅で株取引している養父の井上真一にはやたらと気のある素ぶりを見せ、井上の方もまんざらではない様子を見せる。

しかし、それはつぼみの恐ろしい過去にまつわる行動の再開だった。



ホラー風味のセクシーサスペンス。

だいたいあらすじからして明らかだが、これは「エスター」の設定をそのままやっている代物だろう。

あちらの息子や娘が出てこないだけで、基本、大筋は「エスター」まんまに話が進むし、終盤、佐々木が出自を調べて発覚する恵美里の正体も、まあ似たようなものである。

違うのは、こちらはセクシーVシネ系だから、養父が露骨に恵美里とデキてしまい、最後も恵美里が成敗されず、半ば佐々木が旦那を恵美里に寝取られた恰好で終わっていくところだろうか。

しかしその終わり方はあまりに中途半端にすぎるし、お話の展開も、恵美里が養父を狙っている話に集約されていくばかりで、恵美里の隠れた悪魔的な行いの描写や、終盤発覚する極悪な過去の描き方もかなりあっさり気味である。

それでも恵美里役をつぼみが中々不気味に演じているので何とか見ていられる。

佐々木麻由子の養母役も悪くない。

つまりキャスティング的には、元ネタ「エスター」にそれほど引けを取ってはいないのに、ちゃんとしたホラーにしようとしていない、作り手の中途半端さがイマイチ締まらない作品にしてしまっている感がある。

それでもサスペンススリラーテイストは、つぼみの好演や存在感も相まって、それなりに出ていないこともないのだが、元ネタの醍醐味を、セクシー部分だけ濃くしたわりに、随分と薄味に換骨奪胎してしまったなという残念さが残る出来である。

確かに制作予算は、こちらはかなり安いだろうが、しかし、せっかくの元ネタを、その日本版としてもうちょっと何とか出来ただろう、とは思わせるイマイチな一篇。 2018/04/14(土) 00:06:49 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

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