0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『追撃者』




ジャン=バティスト・レオネッティ『追撃者』再見、

アメリカ南西部のモハーベ砂漠は、日中の気温が50℃を超え、街と150㎞も離れている場所だった。

ガイドのジェレミー・アーヴァインは、狩猟に来た金持ちのマイケル・ダグラスを案内するが、狩猟ポイントに着くとマイケルは崖の影に発砲する。

マイケルが撃ったのは人間だったが、ジェレミーが通報しようとすると、マイケルはジェレミーに服を脱ぐよう命令し、そこからゲームを楽しむように、マイケルはジェレミーを標的にしたマンハンティングを始める。

ジェレミーは逃げ回りながら対峙するが。




ロブ・ホワイトの原作を、砂漠を舞台にして描いた人間狩り映画。

マイケル・ダグラスがサイコキラー役の、サイコスリラー映画。

マイケルの狂った行動から逃げるジェレミーを描いた、ほぼ二人の場面がメインの、実にシンプルな映画だが、ちょっとシンプルすぎる。

アメリカの灼熱の砂漠地帯の渇いた景観は中々画になっているものの、通り一遍のシンプルなマンハンティング映画で、捻りも大してないまま、何ということもなく定番で終わってしまう映画だ。

脚本に芸がないとしか言いようがなく、ジェレミー側の人生や人物描写がもうちょっと訳ありだったり意味深なら、あと少し何とかなったろうに、あまりにも定番パターンにすぎる。

ルトガー・ハウアーが狂気の人間狩りをする悪役で、アイスTが逃げる「サバイビング・ゲーム」は、アイスTの側にゲットーからの脱出というテーマがあり、それを弄ぶ白人のハウアーという、謂わば白人社会とゲットーの黒人、ゲットーから白人と戦って自己を確立するという明確な社会的テーマ性が重ね合わされていたが、この映画にはそういうテーマ性は薄く、故にドラマも映画も薄い。

本当は、マイケル・ダグラスの1%の強欲な金持ちと、99%のジェレミーら一般人という図式をやりたいのかもしれないが、当時のオバマ大統領の、綺麗事を並べてるだけの欺瞞を描きもしないで、そんな図式だけ出してきたって、さっぱり薄味な映画にしかなりようがないだろう。

そんなどうにもイマイチな一篇。 2018/02/10(土) 03:56:45 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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