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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『怖すぎる話 劇場版』

仁同正明、沖田光『怖すぎる話 劇場版』、

証明写真の機械に幽霊が出る「キヨコ」、
会社からの帰り道に人間が落下して叩きつけられた姿を何度も見る「おちてくる」、
男女の交際目的の肝試しで悲劇が起こる「蛇口」、
広告代理店の仕事の出来る後輩から貰ったメールに添付されていた不気味な写真を巡る「添付ファイル」、
図書館で借りた古書に挟まっていた写真の裏に書かれていた言葉「はどろば」について調べる「はどろば」、
霊が見える少女が、友達が日々痩せ細っていくことに不審を感じる「やせ細る友人」、
などなどの6つの挿話が描かれている。




オカルト雑誌ムー創刊35周年記念アプリ『実録!怖い話』に投稿された恐怖体験話を、幾つかの短い挿話にして繋いだオムニバスホラー映画。

製作、配給のジョリー・ロジャーはすでに潰れている。

それぞれの挿話のヒロインも、ステーション♪、おっPサンバ、アイコン(R)、ハニースパイス、危ない女の子シスターズなどの、どれもこれも解散したか、活動休止したアイドルグループのメンバーが演じている。

アイドルたちの演技は別にそう悪くない。

特に「おちてくる」の高木あずさなど好演と言ってもいいくらいである。

しかし肝心のホラーシーンの演出がなんともモタついているし、見せ方がどれもこれもヘタな上に工夫も無さすぎて、どうしようもなくユルイ出来である。

一昔前には、Jホラーブームというものがあり、まあ個人的には幽霊ホラーには大して怖い映画はなく、せいぜい黒沢清と白石晃士の監督作に感心したくらいだったが、それでもどの作品も、演出には考え抜かれたものを感じたし、ホラーシーンの見せ方にもそれなりに工夫があった。

しかしJホラーブームが終わり、その後のホラーがこんなテキトーな演出で、ヘタな上に、大して見せ方に工夫もない映画だと、やはりゲンナリしてしまう。

Jホラーブームの頃の映画には、確かに一部の作品にしか感心しなかった方だが、しかしこんな体たらくではなかったと思う。

先達のやってきたことを受け継いでいないどころか、新たな創意工夫も感じられないようなホラー映画でしかなく、なんともいただけない。

映画全てがメチャクチャにヘタクソな映画というわけではなく、それなりに淡々と見ていられる映画にはなっているのだが、肝心の見せ場に、これだけ工夫や演出の妙技が感じられないというのは、さすがに残念な出来である。

そんな何とも喰い足りなさすぎる一篇。 2018/02/06(火) 00:14:00 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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