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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『覇王~凶血の連鎖~Ⅳ』




小沢和義『覇王~凶血の連鎖~Ⅳ』、

内藤新宿一家は世襲制組織で、血統者だけが一家の長を継げる組だった。

舎弟頭補佐の山口祥行は、血縁者の少年、落合晴音を13代目として推し、組を立て直そうとするが、ムショから出てきた内藤新宿一家元舎弟の冨家規政が様々な謀略を巡らせる。

そこに12代目として立つはずだった小沢和義が絡む。

結局内藤新宿一家は、落合を13代目として推す山口一派と、小沢を立たせて歴史を変えんとする井田國彦一派、そして冨家の一派による三つ巴の抗争となっていく。

そこに大阪の大組織の会長・宇梶剛士が絡む。





俳優小沢和義が監督したシリーズ作。

兄の小沢仁志も監督として、これまでかなり力作を撮ってきたが、小沢和義も随分前に撮った初監督作「DOG TAG」がちょっとした佳作だったし、兄弟揃って監督としての才気も中々である。

このシリーズ作も、通常の極道映画とは一味違う設定や展開を迎える作品で、少年が跡目を継ぐ組織で戦う山口祥行や本宮泰風らが描かれている。

小沢和義は闇に葬られた殺し屋のような跡目候補の役で、岩佐真悠子の女殺し屋と暮らす、哀愁と謎に満ちた役どころを演じているが、これがかなり個性の強い半分悪役的なキャラで、山口とのガチンコ対決シーンにもアイデアがあり、中々悪くない。

血統者の跡継ぎの少年、落合が、敵対組織に裏切られた敵の北代高士のために泣いてやるシーンから、北代が落合の下に付く展開にも必然性が感じられる。

また単なるベタな悪役に見えた冨家規政が、悪党は悪党でも、絶えず命を張った筋者の悪党であることが発覚していく展開やキャラ造形も中々いい。

抗争が錯綜するので、途中多少ややこしいところもあるが、要所、要所に出てくる人物が、善玉も悪役も皆個性的にキャラ立ちしているので、空中分解することはない。

小沢和義他役者陣も、皆好演しているし、中々飽きさせずに見せる一篇。 2018/01/23(火) 02:02:02 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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