0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『レイジング・コップス』




ジョルジオ・セラフィーニ『レイジング・コップス』、

ロサンゼルスにて、ストリップバーを経営する麻薬密売人のダニエル・ボンジュールは、良家の女子大生と結婚して足を洗おうと決め、その前に仲買人を殺し、麻薬のボスと直接取引をしようとする。

しかし組織のボス、ヴィニー・ジョーンズはそれに気づき、短期間で麻薬を捌くよう命令するが、そのためのルートはちゃんと確保されていた。

その頃、麻薬取締局の捜査官ドルフ・ラングレンは密売人をやっている刑事を追いつつ、事件の捜査を始めるが、ラングレンと恋人関係にある女刑事カーリー・ポープが潜入捜査官となり、心配する。



ドルフ・ラングレンが製作、主演の映画。

そのわりにはラングレンはらしくなく、見せ場的なアクションシーンや格闘場面もあまりなくて、ほとんど悪役の売人ダニエル・ボンジュール主演の腰の座らないノワールサスペンス映画の脇役みたいな感じである。

そういうところは、一応青山恭二主演なのに、悪党役の内田良平ばかりが目立っていた、かっての日活の『機動捜査班』シリーズみたいである。

ラングレンは何故か衣装が軽めなトレーナーなのだが、ラングレンにトレーナー姿はあんまり似合わない。(オッサンの部屋着に見える)

だいたいボンジュールは、足を洗って、別世界に住んでるような良家の女子大生と結婚したいなら、さっさとそうすればいいのに、何でよりによってチンケな密売人が、今までやったこともないような大博打を、他の売人まで殺して行うのか、どんだけボンジュールのナレーション解説が入ろうが、要領を得ないし矛盾だらけである。

ヴィニー・ジョーンズがヤバイボスかと思ったら、結局ボンジュールらにいいように扱われている奴だったり、とその辺もご都合主義っぽい。

潜入捜査をする女刑事のカーリー・ポープが賀川雪絵みたいなルックスで、ボンジュールらの仲間のビッチ女よりも一番ビッチで悪女的に見えるのは中々悪くないし、実は彼女はビッチ女とレズ関係になりながら、彼女を更生させようとしていたりするところもいいのだが、しかし、色々盛り沢山な人間ドラマを安っぽい刑事アクションタッチの中に無理矢理盛り込んでる感が出過ぎていて、大して盛り上がらない。

たぶん脚本はボンジュールの心理やラングレンら刑事たちの厳しい捜査、または潜入捜査するカーリーの気持ちなどを丁寧に描いたヒューマンドラマメインの脚本ではないかと思えるのだが、どの描写も中途半端に流れてしまっていて、どこもかしこもピリッとしない映画になってしまっている。

その上ラングレンの存在感がかなり弱いので、全体的にもパッとしない映画になってしまっている一篇。 2018/01/16(火) 01:18:46 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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