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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『脱走特急』




マーク・ロブソン『脱走特急』再見、

1943年に、イタリア軍の捕虜収容所から、イタリアが敗戦したのに乗じ、連合軍の捕虜が集団脱走をする。

しかしドイツ軍に捕まり、捕虜はドイツに列車で移送されることになる。

捕虜たちは、リーダーのアメリカ軍人でフォンと呼ばれるフランク・シナトラの大佐の指揮で、逆に列車を乗っ取り、ドイツ軍人になりすます。

そして列車を中立国のスイスに向かわせようと奮闘する。





戦争映画の名作。

重い戦争映画ではなく、戦争エンターテイメント映画の名作と言える作品である。

それでも前半は、捕虜収容所の裏切り合いや疑心暗鬼などが描かれ、重苦しいテイストである。

しかし、ドイツ軍に捕虜が捕まって、捕虜たちが列車に乗せられ、ドイツ国内に移送される中、列車乗っ取りをして、ドイツ兵になりすましていく展開になると、映画は、まるでエンジンがかかったように俄然面白くなる。

列車乗っ取り、ドイツ兵なりすまし作戦がちょっとコミカルに描かれていくところにはサスペンスフルな気配もあり、シナトラやトレヴァー・ハワードもこの辺りから、さらに魅力的な好演に拍車がかかっていく。

終盤、なんとかドイツ軍の裏をかいて、捕虜たちがスイスに逃げ込めそうなところでハッピーエンド、とはならず、ドイツ軍の攻撃と戦うことになるのだが、そこもシナトラの作戦が機能し、面白く戦争アクションが展開していく。

しかも、陸のドイツ軍の攻撃を食い止めたと思いきや、今度は空からの攻撃が連続し、と、この、これでもかとばかりに詰め込み、終盤のクライマックスを盛り上げ白熱させる展開は、娯楽映画の教科書があれば載せたいくらい、見事な畳みかけ方となっている。

その上で、ラストを単なるハッピーエンドにはせず、シナトラを超人的なヒーローにしていないところも秀逸である。

何年経っても古びることのない面白さの、戦争アクション娯楽映画の名作な一篇。 2017/12/30(土) 00:17:12 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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