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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『バレット』




ウォルター・ヒル『バレット』再見、

シルベスター・スタローンは、逮捕歴26回、有罪2回の殺し屋だった。

ある時、相棒と殺しの仕事をした後、相棒が殺され、その復讐をしようとしていたが、共通の敵が一致したことから、元々は敵対するはずの刑事のサン・カンと手を組むことに。

殺しで問題解決をはかるスタローンと、法と刑事の倫理を守ろうとするサン・カンはぶつかり合いながらも一緒に戦う。

マフィアや警察も敵と繋がっている中、スタローンは裏切り者を殺し、相棒を殺した冷酷な殺し屋・ジェイソン・モモアを狙うが、その前に重要な証拠や秘密を握る弁護士のクリスチャン・スレイターを誘拐し尋問するが。




ウォルター・ヒルとスタローンが組んだ殺し屋アクション映画。

いかにも大味な西部劇アクションの現代版的な風情だが、それが中々悪くない。

思えば70年代から80年代のハリウッドアクション映画にはこういう明快なストーリーラインと大味な気配が漂っていたが、その時代に最盛期を迎えたウォルター・ヒルが70代の老監督となっても今だにその持ち味を失っていないのは秀逸なことである。

それがシンプルなストーリーラインの方が個性も魅力も光るスタローンによく合っている。

だから基本は殺し屋アクション映画の定番っぽいが、殺し屋が前半から裏切られて、敵対するはずの若い刑事と組む設定や、敵の殺し屋が雇われ殺し屋に甘んじない、快楽殺人者のサイコな殺し屋で、金に靡かないキャラゆえに、ブチキレたらラスボスも雇い主も皆殺しにし、ラスト、スタローンと海賊のように斧でのバトルを持ちかける展開などはちょっと新味かもしれない。(ただあまりにスタローン映画らしい設定だが(苦笑))

またクリスチャン・スレイターが中年になって、いかにもチンケな小悪党役であっさり死んでしまうが、かってのハリウッドスターが中年となって、随分ショボい脇の役をやるようになったなとは思わせる。

まあしかし、役者としては味のあるバイプレイヤーになったということだとも思う。

ガンアクションシーンのテンポと呼吸もいいし、あまりスタイリッシュではない泥臭い肉弾バトルシーンなども悪くない。

タトゥーというより、かっての東映任侠映画の時の高倉健のような刺青(一見そう見える)を入れているスタローンも妙に決まっている。

スタローンの娘役のかなり美人なサラ・シャヒ、若い刑事役のサン・カン、敵の殺し屋役のジェイソン・モモアも好演している。

西部劇の現代版的な、いい意味での大味さを失わないまま、テンポのいいアクション映画を老いて尚、今だ実現している70代の現役監督ウォルター・ヒルの面目躍如とすら思える、中々佳作な一篇。 2017/12/05(火) 00:05:06 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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