0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『裏門釈放』




辻裕之『裏門釈放』、

大阪西刑務所で、ヤクザ幹部の木村一八が屋上から飛び降り自殺をした。

囚人は全員、舎房に戻されるが、ある舎房の房長の宅麻伸は囚人たちに、木村から聞いた彼の半生を語る。

12年前、木村は少年院時代の仲間を頼って新世界に行きヤクザになるが、うだつが上がらない中、元ヤクザの屋台のオヤジ、火野正平と仲良くなる。

火野は若い頃の自分に似ている木村を気に入り、木村の影の参謀となり、木村は計算された売り出し方で頭角を現していく。

だがそれが気に入らない若頭と対立するようになる。

かっては敵対していた川本淳市をも子分にし、木村は若頭と対立しながら突き進むが。





村上和彦原作で回想形式の作品。

木村一八は村上和彦原作作品になると、『代紋の墓場』シリーズもそうだったが、バリバリの関西弁を快活かつ流暢にまくし立て、かなりユーモラスにコテコテの関西ヤクザを好演するが、この作品でもその路線の芝居を快調に演じている。

謂わばこの木村の快活な芝居が映画全体のリズムとなり、中々テンポのいい作品となっている。

いかに木村が派手かつ効果的にヤクザとして売り出すか計算ずくで実行する様を、かなりコミカルに描いているが、その内容に木村の芝居がよく合っている。

このパート1では、冒頭の木村の飛び降り自殺の原因までは描かれていないが、こんなに快調な木村と、自殺というものにはやはりギャップが感じられる。

まあこの後、暗転もしていくのだろうが、まだその暗転の気配はこのパート1ではあまり感じられない。(その伏線は描かれているようだが)

脇の川本淳市、火野正平も好演しているが、やはり木村一八の快活でユーモラスなコテコテ関西弁芝居が目立っている一篇。 2017/11/18(土) 00:06:42 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1891-17142472