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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『新網走番外地 吹雪のはぐれ狼』




降旗康男『新網走番外地 吹雪のはぐれ狼』再見、

九州のヤクザ末広勝治=高倉健は、組のために起こした事件で、網走刑務所に入れられる。

ある日看守の今井健二が、囚人で北海道のヤクザ幹部の山本麟一と組んで、豆の横流しをしていることを知った高倉は、彼らに反抗するが、山本は高倉を抹殺せんと裏山の作業場で殺そうとし、高倉は巡回外人牧師の岡田眞澄に救われる。

岡田はカムイベツの教会で、少年院を出た身寄りのない若者たちを引き取り、更生させようとしていたが、出所後の高倉も牧師の岡田と兄弟盃を交わし、岡田の子分と称して仕事を手伝いはじめる。

ボクシングを通して更生させようとする岡田のジムの若者は、好き勝手やってる者が多く、谷隼人もその一人だったが、谷には将来有望なボクサーの才能があり、皆に期待されていた。

しかし谷は山本麟一がやっているジムに行きたがっていたので、高倉は何度も谷を連れて帰ろうとして暴力を振るい、岡田から縁を切られそうになっていた。

だが高倉は山本の側の妨害に耐えながら攻撃するようになり、なんとか岡田と和解し、谷の信頼も得られるようになるが、自分のジムに来ようとしない谷に山本が怒り、谷の恋人を人質に八百長試合をさせようとする。




新網走番外地シリーズの一作。

健さんがクリスチャンになり、キリストの教えを守って戦うお話。

健さんが外人牧師の岡田眞澄と約束した非暴力の誓いを守って耐えに耐えて、最後にはお約束の殴り込みという展開だが、そもそも任侠ヤクザ映画自体、主人公が耐えに耐えた後、最後の殴り込みで敵を壊滅させる展開が定番なのだから、別に毎度のパターンのお話である。

しかし任侠親分を変奏させたような岡田眞澄の片言の日本語を喋る外人牧師がとてもいい味わいで、健さんが岡田を親分と慕う設定に説得力があるところがいい。

この岡田眞澄の好演は中々に出色である。

また、脇を固める由利徹や南利明のすぐにミニコントが始まるコメディリリーフぶりも相変わらずの味わいで面白く、谷隼人も役に合っているし、今井健二、山本麟一も毎度のコテコテの悪役ぶりである。

冒頭、網走刑務所で仲良くなる若山富三郎に健さんが途中助けられながらも、最後は対決するパターンだが、若山富三郎もお得意のコミカルテイストな好漢役によくハマっている。

ただ、一応健さんのマドンナ役らしい尼役のジューン・アダムスは、美人なルックスはマドンナ役として申し分ないが、出番が超少ないし、台詞もたどたどしく、まあ相手役というよりはチョロっとゲストで華を添えた程度の出演である。

定番なパターンで展開する安定したプログラムピクチャーだが、プログラムピクチャーの良さがよく出ているし、健さんばかりでなく岡田眞澄の好演が秀逸に光っている、それなりに面白く見られる一篇。 2017/11/04(土) 00:05:10 東映 トラックバック:0 コメント(-)

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