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0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

追悼 土屋嘉男




土屋嘉男氏が今年2月に亡くなられていたらしい。

役者になる前は井伏鱒二の釣り仲間で、井伏の弟子の太宰治ともその縁で知り合い、太宰の勧めで俳優になられたという、なんともすごい経歴の方だった。

やはり『七人の侍』他の黒澤明映画での好演の印象が強いが、それと東宝特撮映画での好演もやはり忘れ難い。

前にここでレビューを書いた秀作『透明人間』や、『ガス人間第1号』『マタンゴ』、『ゴジラ』シリーズ他の東宝怪獣映画などを観て、子供ながらに「東宝特撮の顔」とすら昔思ったものだった。

だが、鈴木英夫監督作にも刑事役他などでよく出演されており、丹波哲郎デビュー作の新東宝犯罪映画『殺人容疑者』や、秀逸なサスペンススリラー『彼奴を逃すな』や大傑作『脱獄囚』、前にここでレビューを書いた『社長無頼 怒号篇』や、山崎努主演のピカレスクノワール『悪の階段』などなどの傑作映画での好演も良かった。

TVでは『大激闘 マッドポリス80』の、第1話で殉職する初代キャップ役他などを演じられていたのも忘れ難い。

また、成瀬巳喜男の傑作『ひき逃げ』や『乱れ雲』『妻の心』、白川由美主演の女探偵映画『女探偵物語 SOS』や、石井輝男脚本の佳作サスペンス『黒い画集 ある遭難』、

これも前にここでレビューを書いている『おしゃべり奥様』(中村メイコの旦那役)とエド・マクベイン原作の『恐怖の時間』、

その他、主演作『奴が殺人者だ』や、『100発100中 黄金の眼』、岡本喜八の『斬る』や『日本のいちばん長い日』、『国際秘密警察 絶対絶命』、ATG映画『西陣心中』や、ピーターと同性愛シーンを演じた『薔薇の葬列』、諸星大二郎原作の佳作『奇談』他などでの好演も印象深かった。

温厚な紳士的個性と、人間臭い個性が同居していて、それが硬派な正義漢役やワイルドな役などにピッタリだったり、場合によっては、それが狂気に至る役どころとなる場合もあったが、いずれにしても、どこか品格のある名優さんだった。

土屋嘉男さん、ご冥福をお祈り致します。










2017/09/09(土) 00:06:43 R・I・P トラックバック:0 コメント(-)

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