0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『先生、おなか痛いです』




深井朝子『先生、おなか痛いです』、

オッパイパブで働く野中あんりは、冴えないサラリーマンと退屈な生活を送っていたが、ある日店で、学生時代の同級生と偶然再会し、同級生は野中が初恋の相手だったので、オッパブ嬢になっている野中に怒る。

この同級生と再会したことで、野中は学生時代の担任教師への初恋を思い出し、担任の授業になると「先生、おなか痛いです」と言って、保健室へ行き、そこで担任を思って自慰に耽ったことも思い出す。

ある時、同級生は野中の自慰行為を目撃するが。



青春Hシリーズの一作。

野中あんりのダメダメな日々と、学生時代の担任教師へのこれまたかなりカッコ悪い片思いの回想を描いているが、まあ女子の初恋や片思いを、女性監督がこれだけカッコ悪く描くというのはカッコつけてなくていいと言えばいい。

しかし、あまりにもダラダラしたコント風に描かれているので、女子のリアルなカッコ悪さを描いたというより、わざと野中を露悪的に描いているようなわざとらしい作為的描写にも見えて、逆に白々しい感じがしないでもない。

だから、野中の、かっての担任教師への初恋感情というものに、全然切実なリアリティーが感じられず、ひたすらベタ喜劇テイストの描写だったりする。

また、どうせこういう展開なら、最後は今までの自分のだらしなさを清算するために更生的行動を取るんだろ、と思っていたら、案の定、予想通りの展開で(苦笑)、最後はご都合主義のようにやたら改心した野中の姿を描いて青春映画のハッピーエンドとなるという、まるで絵に描いた餅か、安っぽいマンガみたいな映画だったりする。

家庭環境に恵まれない女子が何やってもうまく行かず、堕ちたような生活になってしまう部分はちゃんと描いているようにも思うが、はっきり言って、その手の不幸少女のテンプレドラマまんまの展開で、先が読めるというか、またこのパターンかよ、とやたら思わせる新味の無さが残念である。

野中の心理ばかり中心に描いていて、他の登場人物の心理描写が薄く、それ故に映画自体がなんとも視野の狭い映画にも見えてくる。

そんな色々残念のところがある一篇。 2017/07/08(土) 00:05:42 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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