0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『ハイジ』




ポール・マーカス『ハイジ』、

少女ハイジ=エマ・ボルジャーは、両親を亡くして母の妹の叔母に育てられた。

だが叔母がフランクフルトで働くことになったため、ハイジはアルプスの山小屋に住むアルムおんじ=マックス・フォン・シドーと一緒に暮らすことになる。

偏屈者のアルムおんじには、過去に人を殺したという噂まであり、最初はハイジに対しても無愛想だったが、徐々にハイジの素直さに触れて心を開く。

ハイジはヤギ飼いの少年ペーターとも大自然の中で楽しく遊んでいたが、ある日、叔母がやって来て、ハイジを無理矢理、金持ちのゼーゼマン家の娘で、足の不自由なクララの遊び相手にするため、フランクフルトに連れて行く。

ゼーゼマン家は執事のロッテンマイヤー夫人=ジェラルディン・チャップリンが仕切っていて、ハイジはクララとは仲良くなるが、無学なところを疎まれてロッテンマイヤーには嫌われるが。







ヨハンナ・シュピリの原作『アルプスの少女ハイジ』の実写映画版。

日本ではアニメ版が有名で、今だに家庭教師のトライのCMで、台詞を入れ替えたパロディ版が流れているほどポピュラーだが、こちらはアルプスの大自然の景観も美しい中、いかにも明朗な児童映画テイストで撮られた実写映画版になっている。

そのほのぼのとした素朴さはアニメ版以上で、いかにも長閑で普通の子供っぽさのエマ・ボルジャーのハイジ役が実にナチュラルで、それが大自然の雄大な美しさや、コミカルにして簡潔なタッチの映画自体にもよく合っており、普通に楽しく見られる。

マックス・フォン・シドーのアルムおんじも風貌といい存在感といいぴったりで、ロッテンマイヤーさん役のジェラルディン・チャップリンは日本のアニメ版よりさらに意地悪にしたキャラ設定だが、狭量な内面の憎まれ役をジェラルディンが見事に引き受けて好演している。

アルムおんじが住むアルプスの人里離れた小屋や大自然の景観や環境は見ているだけでも素晴らしいと思えるもので、こういう大自然描写に実写映画版の良さがよく出ている。

簡潔によくまとまったシンプルな作りの、わりと楽しく見られる一篇。 2017/05/16(火) 00:06:07 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1838-af737e3e