0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『明烏』




福田雄一『明烏』再見、

品川のホストクラブ・明烏で、ワーストホストの菅田将暉は多額の借金の返済期限が迫り焦っていた。

だが、返済金1000万円を用意できたと思い宴会を開くが、金が用意出来たのは夢だった。

菅田は借金返済出来ないと12時間後に東京湾に沈められるのだが、同僚も金のない女性客の吉岡里帆も、いきなりやって来た父親の佐藤二朗も誰も頼りにならず、さらに焦るが。





舞台でも上演されている、古典落語の「明烏」「品川心中」をベースにした福田雄一作の戯曲を、福田自身が脚本、監督したシチュエーションコメディ映画。

それほど内容のあるお話ではないが、福田雄一演出らしい喜劇タッチとテンポに若手役者陣がわりと応えている作品である。

この手が得意そうな菅田将暉やムロツヨシ、佐藤二朗だけでなく、この映画が女優開眼作となったらしい、今や多くのCMからドラマなどに出まくる売れっ子女優になった吉岡里帆が、テンポよく弾けたコメディ演技とクールなキャラを両方演じて好演している。

はっきり言って、喜劇的なダイアローグのテンポと、古典落語がベースらしいボケとツッコミの間合い、または役者陣のコメディ演技でひたすら何とかなっている映画で、その場で見ていて楽しく見られればそれで全て良しぐらいの感じの映画でしかないが、まあ小さな娯楽エンタメ映画だと思えば、それなりに演出も役者陣も頑張っている。

物語的な醍醐味が全くないわけではないし、多少ラストにどんでん返し(と言うほどでもないが)的なものもあるにはあるが、映画自体やお話自体は、まあこんなもんかってぐらいのものである。

あくまで、役者陣がコメディ演技を好演している、福田雄一タッチのエンタメ喜劇映画として見れば、それなりにつまらなくはない一篇。 2017/04/01(土) 00:04:36 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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