0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『サザエさんの結婚』

青柳信雄『サザエさんの結婚』、

サザエ=江利チエミの父波平=藤原釜足とフネ=清川虹子は銀婚式を迎えて、日光へ旅行に行く。
その後、磯野家に下宿しているノリオ=藤木悠の大阪の両親、アチャコと浪花千栄子がノリオの様子を見に上京してくる。

しかしノリオは酒とパチンコ好きの学生で、挙句婚約者までいたため両親は驚くが、サザエが間に入ってノリオは結婚する。

その後、大阪に転勤中のマスオ=小泉博が、親友の結婚式のために上京し、サザエもマスオとの結婚式の参考にと、式に出席するが、そこで会社の上役の志村喬にマスオの東京転勤をお願いする。

後で出すぎた真似をしたと悔いるサザエだが、結婚したノリオに代わって磯野家に下宿した映画女優の雪村いづみと共に志村に会いに行くと、マスオの東京転勤は決まっていると言われ、サザエは喜ぶが、転勤してきたマスオが他の女性=白川由美と買い物しているのを目撃して怒り出す。







長谷川町子原作漫画「サザエさん」の実写映画化作品。

江利チエミは相変わらずサザエ役にピッタリで、今回はマスオ=小泉との結婚までのスッタモンダをドタバタ描いている。

江利チエミが歌うシーンが前作より増え、他にも雪村いづみが朗々と歌い、ダークダックスがコーラスを聞かせ、とミュージカル映画的要素もより濃厚になっている。

そのボーカルが全員堂に入っているので、前作以上にハリウッドのミュージカル映画を彷彿とさせる豊かさとなっている。

そそっかしいサザエの行動が喜劇展開を巻き起こし、それがテンポのいいコミカルタッチで描かれていき、終始飽きさせない楽しき映画になっている。

今作はワカメ役が子役時代の松島トモ子ではなく、サザエの結婚話のドタバタメインだからか、カツオ、ワカメは前作ほど目立たない。

恰幅のいい清川虹子の母フネや、藤原釜足の波平は今回もいい味で、柳家金語楼、由利徹、南利明、アチャコ、三木のり平ら喜劇人もコメディリリーフとして楽しく脇を固めている。

また映画撮影所の場面には、加東大介や宝田明、司葉子に草笛光子、団令子が本人役でチラッと出ている。

結婚が決まり、マスオの故郷の北海道で式を挙げる前の磯野家での祝賀会の様子が最後に描かれるが、ダークダックスの歌声などもそこに加わり、中々幸福感溢れる終わり方をする。

前作よりキャストが少し豪華になり、ミュージカルシーンも増え、その上でテンポのよいコミカル展開も面白い、実写化としてはほぼ成功していると言える愉しき喜劇の一篇。









2017/02/04(土) 00:05:14 東宝 トラックバック:0 コメント(-)

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