0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「オフィサー・ダウン」




ブライアン・A・ミラー「オフィサー・ダウン」、

コネチカット州のブリッジポート市警の警官・スティーヴン・ドーフは、2年前までコカインの取引に関わり、ナイトクラブをうろついていた悪徳刑事だった。

しかし、クラブの支配人から持ちかけられ、従業員の麻薬密売を横取りしようとして撃たれ、それが命の恩人に助けられた上に捜査中の名誉の負傷と世間に思われたことをきっかけに、ドーフは真面目な警官に戻り、家族とまともに暮らすようになる。

その後ある日、ドーフは自分の命を救ったという恩人を名乗る男に日記を渡されるが、中にはあるストリッパーが、似顔絵を描く客につきまとわれレイプされたことが書かれていた。

ドーフはこのストリッパーを殺した犯人を追い、一人の容疑者に目をつけるが、その男はドーフの愛娘を見張っていた。




元悪徳刑事を描いた、サスペンスミステリ・ノワールアクションのような映画。

キャスティングはTV「BONES」の刑事・デヴィッド・ボレアナズや、ジェームズ・ウッズ、スティーヴン・ラングに、ドミニク・パーセルと中々渋い俳優が脇を占めていて悪くない。

一応「バッドルーテナント」的な悪徳刑事の更生話という感じなので、ジェイムズ・エルロイ系のお話という感じもするのだが、わりと捻りの効いた展開なのに、もう一つパッとしない出来なのが惜しい。

スティーヴン・ドーフは役に合っているし、脇役陣もいい上、お話もミステリアスに凝った展開をし、蛇行していくわけだからもっと面白くなるはずなのだが、まず悪徳刑事ものにしてはノワールテイストが妙に薄いのが映画の醍醐味を弱くしている。

次に、どんどん隠れた真相が発覚して、せっかくお話がひっくり返っていくのに、そこにあまりサプライズ感がなく、ジェームズ・ウッズの上司の刑事を警察の闇の中心として描く、その描き方が浅すぎて、映画の中で闇らしきものが明確な輪郭を結ぶことなく、半端にまとまってしまっているところが残念である。

またラスト、殴り込みのようにドーフが犯人に銃を構えて乗り込んでいるのに、妙にヌルい銃撃戦でカタがつき、最期のドーフのウッズに対する反抗もみみっちいものでイマイチだったりする。

役者も悪くない、脚本にも捻りがある、演出にもそれほどアラが目立たないのに、どうもこの手の題材の勘所をイチイチ外してるようなところが見受けられるのが何とも惜しい一篇。 2017/01/10(火) 00:04:43 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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