0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」




鹿島健城「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」 、

太川陽介と蛭子能収のコンビは、マドンナ役の三船美佳と共に、3泊4日以内に路線バスを乗り継いで、初の海外ロケ地である台湾にて、目的地に到着することを目指す。

しかし派手な台風が直撃し、バスが全線運行禁止になる。

路線バス以外の交通網の利用や、インターネットからの情報収集は禁止の旅ルールに縛られているため、路線バスの旅は時間内に目的地に到着することが難しくなっていくが。





テレビ東京系で放映され、先頃太川-蛭子コンビの旅が最終回を迎えた「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」の、珍しくもバラエティー旅番組を映画化した劇場版。

いつもは、太川陽介と蛭子能収のコンビが、毎回マドンナ=女性ゲストと、3泊4日以内に日本国内の路線バスを乗り継いで目的地に向かう番組だが、映画版ということで、初の海外ロケとして台湾の地を路線バスで旅する様が捉えられた、謂わば映画としてはドキュメンタリー・ロードムービーと言える。

だが別にカメラが4Kにバージョンアップしただけで、普段番組でやってるまんまの旅を台湾でやり、それをいつも通り撮っているだけ、台本無し、ヤラセ無しな点もまんま同じ、映画としてはドキュメンタリー的な台本のないものに、目的地にタイムリミット内に到着出来るか否かのサスペンス映画の要素が混じったタイプの映画と言える。(別に舞台が海外なだけでいつもそういう、ドキュメンタリー&サスペンスな旅バラエティー番組だが)

たまに太川、蛭子、三船を追い越した地点から撮影した、バスが走行するショットも入るが、それも三人を捉えるカメラ班とは別の班が、臨機応変に太川らが乗るバスが決まってから先回りして撮っているだけらしく、やらせ無しのガチさは貫徹しているようだ。

海外という言葉の壁がある点や、予想以上の台風が来てしまったことなどのハプニングが、テレビの国内路線バスの旅より困難な旅にしているが、それでもラスト、時間ギリギリとなり、果たして最終目的地まで行く路線バスがまだ残っているか否かで成功不成功が決まるところの醍醐味は、テレビシリーズ時のサスペンス感まんまであり、まあだからテレビと一緒と言えば一緒ではあるが、それでも安定した面白さとなっている。

通訳が話す場面や現地の人々の道案内などはわりと簡潔に編集してまとめられているし、映画だからか、三人が無駄にダラダラしている場面もいつもより編集されている感じがする。

ソツのない太川と、自由な蛭子の正反対キャラによる珍道中のやり取りも相変わらず楽しく、マドンナ役の三船美佳は、わりとしっかり者のまとめ役風である。

路線バスが日本以上に充実している台湾は、まさに路線バスの旅には打ってつけの場所だが、海外だからか、最近は手慣れた旅行者的になってきた太川が、言葉の壁や台風ハプニングなどのハンデもあって、番組初期の頃のような手探り感でバスを乗り継いでいるようにも見えるところがあり、逆に新鮮味がある。

まあテレビと同じと言えば同じだが、それでも映画としては、ドキュメンタリー・サスペンス・ロードムービーという変種のジャンルを提示している中々面白い一篇。 2017/01/07(土) 00:38:10 その他 トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1801-0c4f5661