0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「デッド寿司」




井口昇「デッド寿司」、

寿司職人の修行をしていた武田梨奈は、父の厳しい指導に嫌気がさして家出し、温泉旅館で働くようになる。

だがある日、宿泊客の製薬会社社長手塚みのるに復讐したい島津健太郎が現れて、寿司を殺人寿司=デッド寿司へと変えてしまう。

次々と宿泊客がデッド寿司の餌食になっていく中、武田は松崎しげると協力してデッド寿司に立ち向かう。




井口昇のアクションホラー喜劇映画。

井口昇の映画は結構好きな方だが、しかしこれはどうにもいただけない出来である。

井口昇の映画にしては、お行儀が良すぎるし、デッド寿司をキモカワイイモンスターと描いているのも中途半端な上、お話の展開などもさっぱり面白くない。

何より井口昇らしさがどうにも薄味すぎる。

まあ井口昇の映画にしては、というハードルを上げたことを言うまでもなく、これなら誰が監督だったとしても大した出来ではないとしか言いようがない。

武田梨奈は確かにアクションシーンなど頑張っているが、空手映画的な醍醐味もイマイチ薄い。

デッド寿司に襲われている最中の女に邪な欲望を抱く男だとか、松崎しげるの発声にデッド寿司がやられるとか、随所にお笑い描写を入れてはいるものの、どれもやや受け程度の笑いでしかなく、ゆえに喜劇映画としてもあんまり笑いのノリというかグルーヴみたいなものが生成されていない。

ひょっとしたら、デッド寿司というモンスターにもうちょっと迫力なり個性があったら、それだけで映画自体バージョンアップしたものになったかもしれないが、どうも肝心のデッド寿司自体がイマイチキャラ的にも弱いのだ。

結局、なんとなくお話が流れていくだけで、何もかも中途半端な感じで終わってしまう、わりと残念な一篇。 2016/10/22(土) 01:34:54 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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