0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ザ・サンド」




アイザック・ガバエフ「ザ・サンド」、

若者たちは季節外れのビーチで真夜中にパーティをやって盛り上がる。

だがその翌日、酒の酔いがまだ残っている若者たちが目を覚ますと、 若者の一人が砂浜からの奇妙な触手に吸いつかれ、食われるように地面に引きずりこまれてしまう。

実はこのビーチそのものが、一夜にして肉を喰らうモンスターと化していた。

砂の下に、仲間が喰われるように血まみれで引きずりこまれる現場を目撃した生き残った6人の男女は、砂浜に触れないように車や監視塔、ドラム缶の上に留まることを余儀なくされるが、車は故障して動かず、携帯電話も別の場所に置いてきた為、外部と連絡が取れなかった。

そして、昨夜まで存在した他の仲間は皆、砂の下のモンスターにすでに喰われていることに気づく。

なんとかこの砂浜から逃げだそうと、サーフボードなどを使って試行錯誤を繰り返す男女だが、徐々に状況は悪化していく。




昔「血に飢えた白い砂浜」というパニック映画があったが、あれの現代版のような、砂浜(の下にいるモンスター)が人間を襲うビーチパニック・サスペンス映画。

VFXを「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」のザック・ブリンカーホフらが担当しているが、モンスターらしいモンスターは形状的には終盤に出てくるだけで、全体的にはいかにも低予算な感じのパニック映画に見える。

結局映画自体は、砂浜の上でチャラいアメリカのパリピみたいな水着の男女が、その状況で性懲りもなく恋愛話で揉めながら(苦笑)、体を張ったバラエティー番組みたいな脱出策を実行しては、ひたすら失敗したり愚かなドジを踏んで死んでいく様をワーワー大騒ぎさせて見せているだけである。

だいたい6人も人間がいて、誰も携帯電話を携帯していないというご都合主義がおかしい。

それに基本的には余計なことをせずにじっとしていれば、あんなに生存者が早々と死ななかったろう。

ヘタにジタバタしたがために、ドジが連続してどんどん若者がドツボにハマって死んでいく展開など、まるでコントである。(苦笑)

特に故障した車のトランクを危険を犯してまで開けようとして、結局指が挟まって動けなくなる、若い頃のシャローン・ストーン顔の女子、シンシア・マーエルの描写など、一体何がしたいのかという感じである。(苦笑)

二つのサーフボードを継ぎ足しして、場所を移動しようとするコントも、サーフボードの位置を砂の下のモンスターにちょっと動かされて、ボードの合間の空間に腹を晒した男は、腹部をモンスターに傷つけられるが、それなら冒頭でヒロインのブルック・バトラーが砂浜の上の空間で軽く手を動かしても、触手が伸びてきただけで無傷で済んだのと辻褄が合わない。

途中やって来るパトロールの男も、誰も助けないどころか、一人でバカすぎる死に方をするし、一番しっかりしてそうな管制塔にいたミッチェル・ムッソなど、投げられたペプシ缶のキャッチに失敗して手摺を壊し、次にタオルのキャッチに失敗して自分で壊した手摺の下の砂浜に落ちるという、もう救いようのないドジで死んでいく。

結局ラスト、ブルックがモンスターに火を点けたら、砂浜から海中にモンスターは逃げたみたいだが、最後は妙にあっさり終わってしまう。

ブルックらは、パトロールの車に終盤避難するものの、パトロール車には無線が付いているはずだが、彼女らは全く外部に連絡も取らずに、ただ呑気にスヤスヤ寝てしまうのである(苦笑)……とまあ、ツッコミだしたらキリがないような映画だが、一応お話がスタスタ展開はするので、ダレてはいない一篇。


2016/10/04(火) 00:05:34 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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