0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「女教師 保健室の誘惑」

新里猛作「女教師 保健室の誘惑」、

学生のカウンセラーを目指す保健室の先生、青山実樹は、ケンカが多いちょっと不良な男子生徒と、その男子に気があるので援交をやっている女生徒のことを知り、二人を心配する。

二人をなんとか真っ当にしようと、青山は二人と親密になっていくが、男子生徒は徐々に青山を好きになり、たまたま二人の絡む現場を見た女生徒はショックを受ける。




保健室の女先生と生徒の三角関係を描いた恋愛映画。

だからタイトルにあるような、保健室の先生の誘惑なんてものはなく、あくまで恋愛関係の果てに、青山の先生も男子生徒も保健室内で絡む展開に発展するだけである。

青山の先生は、男子生徒とも女生徒とも、あくまで最初は教育的な意味で親密になっていくのだが、それがお互い素直な感情をぶつけ合うほどに男女の恋愛感情になってしまうところが中々淡い青春映画的なメロウさで描かれている。

また、その淡さが、同時に自分を慕ってくれていた、男子生徒の彼女である女生徒を裏切ることになってしまい、自暴自棄になって援交をやり、ヤクザに捕まった女生徒を青山が責任を感じて捨て身で助けに行くシーンなども、わりと学園ドラマの名シーンのように見える。

保健室の先生と不良な男子生徒の話がちゃんと青春恋愛映画的な純愛話になり、そこからの展開も先生と生徒の青春学園ドラマ的な描写となっていく、中々情緒ある、脚本がしっかりしている悪くない出来の作品である。

この青山と生徒二人の関係は恋愛的に三角関係になっていくが、それだけでなく、恋愛とは別に青山は男子生徒や女生徒と個別に人間的な信頼関係を結んでいる。

それだけに、そこに恋愛的な三角関係がクロスして事態は錯綜していくが、最後はその二つの恋愛と人間的信頼の関係が微妙に相互作用したような関係性となり、ちょっとほのぼのしたハッピーエンドを迎える。

そんな中々悪くないドラマが描かれた、佳作な一篇。
2016/09/03(土) 00:07:49 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

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