0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「三代目代行4」




アサオ正博「三代目代行4」、

神奈川県警は、麻薬売買を裏で仕切っていた。

暴対法でヤクザを追い出し、麻薬マーケットを県警が牛耳ろうとしていた。

警察のあまりの腐敗ぶりに国家衰退の危機を感じた、麻薬撲滅を目指す関東黒鉄連合三代目・哀川 翔は、中野英雄を麻薬ビジネスを仕切る県警捜査二課係長の小沢仁志のところに潜入させる。

だが小沢は奇妙な魅力がある男だった。




たぶん、これ以外でもガンエフェクトを多くの作品で担当している浅生マサヒロの監督作。

ヤクザにアンダーカバー刑事が潜入するのではなく、腐敗した警察官のところにヤクザが潜入する、逆転設定の映画。

しかし主役のはずの三代目代行=哀川は大して出て来ず、寧ろ主役は中野英雄か、悪役のはずの小沢仁志に見える。

基本、潜入刑事ならぬ潜入ヤクザの中野と、悪徳刑事、小沢の任侠的関係がメインで描かれ、徐々に小沢は中野に信頼を置いていく展開だが、小沢の女で水商売をやっている白木優子が濡れ場はないが中々役に合っていて好演している。

小沢が刑事としては腐敗しきっているが、ヤクザとしては筋を通す奴という設定がわりと面白く、腐敗刑事を描いているというより、徐々に任侠ヤクザを描いているように見えてくる。

最後は小沢の子分が麻薬取引の後消えてしまうが、小沢の組織の分裂をアンダーヤクザの中野が心配したりする。

どこか黒沢清の犯罪活劇映画を彷彿とさせるタッチで描かれた、逆転設定の趣向が中々悪くない一篇。




2016/08/13(土) 01:01:55 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

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