0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「フライペーパー!史上最低の銀行強盗」




ロブ・ミンコフ「フライペーパー!史上最低の銀行強盗」再見、

ある銀行の窓口係アシュレイ・ジャッドが奇妙な客のパトリック・デンプシーの接客をしていると、二組の強盗が同時に銀行を襲撃してきて、セキュリティーシステムが作動し、強盗も人質たちも密室と化した銀行に閉じ込められてしまう。

パトリックは撃たれた男のことを気にしながら、二組の強盗の間に入り、それぞれ金庫とATMの金を奪うよう棲み分けさせるが、強盗たちの計画は悉く狂い、事態も異様な方向へ進んでいく。




「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の脚本家コンビ、ジョン・ルーカスとスコット・ムーアの犯罪アクション・ミステリ喜劇映画。

二組の銀行強盗が同じ日の同じ時刻に銀行を襲い、セキュリティシステムの作動により密室となった銀行内という設定にて予期せぬ珍騒動が巻き起こる、言わばタランティーノ映画型の犯罪アクション喜劇だが、しかしその根幹はフーダニットもののミステリ映画になっている。

随所に笑わせる、間抜けキャラばかり出てくるバカバカしい展開の犯罪アクション喜劇映画的でありながら、パトリックの独自の推理が進展していくと、いつの間にかクローズドサークルを舞台とした本格ミステリ映画へと成り変わり、一見バカげたこの予期せぬ事態をマニュピレートしている黒幕=犯人探しという風に展開していくところに芸がある。

またラストには、そこにさらに捻りを加えた中々小粋なオチまでついて、往年のハリウッド・スクリューボールコメディ映画を想起させるほどの脚本の冴えがやはり最大の魅力となっている、中々秀逸な作品である。

監督のロブ・ミンコフも無駄なくテンポよく語っており、面白さが凝縮された味わいのある映画に仕上がっている、娯楽映画としてはわりと巧い、秀作な一篇。










2016/06/11(土) 00:06:58 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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