0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「HK/変態仮面」




福田雄一「HK/変態仮面」再見、

高校の拳法部に所属している鈴木亮平は、SM女王様の母・片瀬那奈と捜査中に調教されたことからパートナーとなった亡き元刑事の父の間に生まれた息子だった。

ある日、鈴木は転校してきた清水富美加に一目惚れするが、その後清水は銀行強盗事件の人質となってしまう。

鈴木は清水を助けるために覆面をかぶって強盗から救出しようとしたが、女性用のパンティーをかぶってしまう。

だがその瞬間、身体の中から未知の感覚が湧き上がり、鈴木はパンティーをかぶった変態仮面に変身し、見事清水を救い出す。




「週刊少年ジャンプ」掲載の、あんど慶周原作「究極!!変態仮面」の実写映画化作品。

俳優の小栗旬が脚本協力している。

監督は独特のコミカルセンスの脚本に定評のある福田雄一で、この映画では監督までやっているわけだから、随所に福田テイストや福田センスが感じられる。

女性のパンティーをかぶるとパワーアップして変態仮面に変身する主人公を演じる鈴木亮平は、この映画のために体作りを1年以上行い、肉体美を身につけるまで肉体改造したらしいが、その肉体美は変態ヒーローのルックスには不可欠に見えるのでわりと頑張ったなとは言える。

ただまあ原作マンガが面白くないのか、笑わせ方がベタだからか、通り一遍のコテコテ喜劇映画としか言いようがない。

だいたい変態の格好してるから変態仮面、SM夫婦の子供だから変態仮面というネーミングが当たり前すぎてダサい。

これは映画というより原作漫画の問題かもしれんが、それをなんとか福田雄一的喜劇テイストにしているから、大して面白くもないが、まだ見ていられるだけかもしれない。

しかしその福田雄一的喜劇テイストもTVドラマ「私の嫌いな探偵」の福田脚本ほどの冴えはない。

どこまでも変態、変態大騒ぎするのが上滑りしている、妙にソフトで軽いベタ喜劇映画に終始しているだけである。

それでもなんとかなっているのは、鈴木の敵役、安田顕の好演ゆえだろう。

ニセ変態仮面の安田と鈴木の対決は、徐々にどっちが変態かを競う戦いになっていくが、自らの変態性を語る安田が妙に生き生きしていて、見事ニセ変態仮面役にハマりまくっており、本当は大して面白くもない変態対決なんて茶番が、そのおかげで中々堂に入った対決にまでなっている。

まあ、なんてことない映画だが、安田顕のハマり役ぶりと芸達者ぐらいは評価されるべき一篇。


2016/06/04(土) 01:10:05 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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