0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「みだらからくり〜美人秘書殺人事件〜」

深町章「みだらからくり〜美人秘書殺人事件〜」、

私立探偵の熊谷孝文と法学部の女子大生槇原めぐみは、地方の旧家の家主・池島ゆたかが死んだことで、莫大な遺産相続争いに巻き込まれて命を狙われているらしい風見怜香から事件調査を頼まれ、旧家へと向かう。

しかし風見はすでに死んでおり、熊谷と槇原は独自の調査を始める。

旧家には淫らな人間関係が渦巻き、徐々に遺産を巡る爛れた関係性が発覚していく。



R-18の劇場公開タイトル「いんらん家族 好色不倫未亡人」のR-15版。

金田一耕助風スタイルの探偵が地方の旧家の遺産問題にまつわる事件で活躍する、いかにも横溝正史的な設定のピンク本格ミステリ映画。

最初は都会的なスタイルの熊谷が、いかにも横溝正史的な事件だからと金田一耕助風コスプレをするのだが、だから金田一風なのは見た目だけで、やたらと金目当てだったり、相棒の槇原とHしたがったりと、どっちかと言うと、中町信作品にシリーズ作がある、探偵事務所勤務の多門耕作に近いキャラにも思える。

基本的に横溝的設定をエロと笑いで描いているが、ピンク映画らしく絡みのシーンが随所に入ることで、東宝その他の金田一耕助シリーズでは省略されたり軽くしか描いてこなかった、旧家のおどろおどろしい爛れた男女関係の淫蕩な実態=濡れ場をバッチリ視覚的に描いている映画にも見えて、その点では本家よりアドバンテージがある作品に見える。

田口あゆみの旧家を仕切る池島の後妻にも中々妖しさと貫禄があるし、金田一風探偵の熊谷孝文もわりと好演している。

一応ミステリ映画らしく展開する上、地方のロケーションも中々横溝映画っぽくて、頑張ってるところもある。

しかしまあ、本格ミステリ映画としてはなんだかパッとしない出来で、ラストもひたすらコミカルに終わってしまうが、それでも横溝映画っぽさが、あくまで設定やテイストには感じられる映画ではある。

こんなのもアリだろ、とは思わす、まあまあな出来の一篇。






2016/05/28(土) 00:06:52 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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