0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「縄の悦び 陵辱縛り上げ」

小林悟「縄の悦び 陵辱縛り上げ」、

社内の親睦会として男女6人は登山に行く。

天気もよく、一人の女以外は楽しく登山し、気のある同士の男女は交わったりしていたが、その女の方と元々不倫関係にある参加者の男は嫉妬していた。

その女との不倫が原因で妻と離婚騒ぎになっていたからだ。

だがその後天気は崩れて行き、6人は遭難してしまう。

非常事態となり、平静を失う男女だが、そこから6人は異様な倒錯状態になっていく。




遭難した男女が倒錯的な状況に陥っていくお話。

新聞がやたらと敷き詰められた異様な場所に閉塞されてしまう6人の男女を俯瞰から撮影したシーンや、強調的な顔のアップやショットなどが、まるでエイゼンシュタイン映画のような大昔の前衛映画みたいな画面になっているところが面白い。

小林悟はやはり単なるピンク映画ばかり撮る人ではなく、随分と古典映画的な野心を漲らせた作品に仕立てており、遭難し閉塞した場所に閉じこめられてからの倒錯的な展開は三代目葵マリーがイニシャチブを取り、急に奇妙なパニックSM映画のようになっていく。

そんな異様な場所にいるのに耐えられなくなった連中は外へ逃げ出していくが、結局最後は倒錯絡みのブラックなオチで幕を引く。

しかしブラックなオチではあっても、なんだか取ってつけたような終わり方でもあり、苦笑させるものではある。

やはり途中のエイゼンシュタイン映画のような古典前衛映画のような画面と、パニックSM映画的になるちょっと粗雑な倒錯展開が印象に残る作品である。

別にそう傑作というわけでもないが、それなりの映画的野心や個性は多少感じられる一篇。
2016/05/17(火) 00:05:07 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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