0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「エンドローラーズ」

吉野耕平「エンドローラーズ」、

葬儀屋に勤める三浦貴大は、故人の生涯を振り返る映像制作を仕事でやっていた。

ある時、工業用ロボットアームの金具を作っていた故人の葬儀で、故人の兄である喪主に、弟の仕事を、孫に、爺さんがどういう仕事をしていたのか分からせたいから、ロボットを使った映像を作れと依頼される。

その上更に、派手な音楽付けて式で流し、葬式にロボットを呼びたいとまで無茶な要求をされて、三浦は困惑するが。





映像産業振興機構企画のndjc若手映画作家育成プロジェクト2014参加者による、製作実地研修の短編映画。

仕事に追われる男を描いたコミカルな作品だが、設定の面白さがちゃんとしたドラマ的オチにうまく着地していく、中々まとまりのある作品である。

三浦の仕事自体に困惑している気持ちと、仕事の依頼内容に振り回される様が同時に描かれ、そうした三浦自体のお話を中心にしながら、徐々に故人の人生を思いやる展開となり、それをコミカルに、しかし中々感慨深く描いている。

つまり故人の人生を思いやり、それを伝えようとする展開が、そのまま三浦が仕事に対するわだかまりを吹っ切るまでのプロセスとして描かれ、中々うまい構成である。

葬儀にロボットの映像やロボット自体が持ち込まれることが、最初コミカルで奇異に見えるのに、徐々にそのロボットの動きが故人の生き様のように見えてくるところがとても秀逸で、このクライマックスは実にうまく決まっている。

三浦貴大もでんでんも好演している、よくまとまった佳作な一篇。

2016/05/03(火) 00:05:34 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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