0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「チキンズダイナマイト」

飯塚俊光「チキンズダイナマイト」、

15年間いじめられっ子だった少年・岡山天音は、ある日「景色を変えてみないか?」と、元いじめられっ子の先輩・前野朋哉から誘われ、チキンズダイナマイトという、いじめ救済を目的とした伝説のゲームに参加することになる。

ゲームのルールには無茶なところがあったが、岡山はチキンズダイナマイトへの挑戦を決める。




ndjc若手映画作家育成プロジェクト2014参加者による、製作実地研修の短編作品。

バカげた設定だが、そこから巻き起こっていく展開には意味深なものがあり、ちゃんとした少年の自立や、困難に立ち向かう成長を描いた青春映画になっている。

タッチは随所にコミカルにしているが、そのトボけたコミカル展開の中に、好きな女子との通過儀礼的な交流や、いじめなどの困難にガムシャラというかデタラメに立ち向かう強さを知らず知らずの内に身につけていく成長が描かれ、チキンズダイナマイトの伝承が描かれて映画は終わる。

これだけ意義深いことを説教臭さゼロの喜劇展開オンリーで描き切って、ちゃんとまともな青春映画を成立させているのはかなり秀逸なことだと思う。

最近はTVドラマやCMなどでもよく見かける、自主映画監督出身でもある前野朋哉が、出てくるだけで、元いじめられっ子の先輩とわかる好演と適役ぶりで、学生男女のマッタリした微妙にトボけた交流描写も中々いい。

宮藤官九郎とはまた違ったセンスの、意義深いコミカル青春映画タッチがわりといい佳作な一篇。
2016/04/16(土) 00:53:21 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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