0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「新人巨乳 はさんで三発!」

「新人巨乳 はさんで三発!」、

映画マニアのめぐりは映画会社の面接に受かり初出社となるが、初日から寝坊し遅刻してしまう。

社長のなかみつせいじは笑って許してくれたが、女の先輩、倖田李梨は厳しく、めぐりは若い男性社員に預けられる。

だがめぐりは、宣材の選り分けのためPCのデータフォルダを開くと、そこにはエロ画像が並び、実は自分が成人映画の会社に入社していたことに気づいて唖然とする。

めぐりはそこから社内でエロなセクハラを受ける妄想にかられるようになる。

めぐりを預かった若手社員は、成人映画に嫌悪感があるめぐりを何とかしようと、自分で作ったピンク映画史をまとめたスクラップブックを渡すが、それを読んで、めぐりは徐々に成人映画に関心を持つようになる。




城定秀夫脚本、加藤義一監督による、ピンク映画会社に紛れ込んだ女性を描いたピンク映画。

映画マニア役のめぐりが、ピンク映画監督の名前を日本映画界の巨匠と勘違いしたり、映画マニアらしく名作映画の台詞を覚えていて、さりげなくそんな台詞で会話したりするシーンは中々微笑ましい。

しかしまあ、入社する前にピンク映画の会社かどうかなんて普通面接でわかるだろうし、特に映画マニアなら、見てなくても、ピンク映画の会社名ぐらい知ってるだろとも思う。

若松孝二がピンク映画を撮り始めたような大昔の時代ならいざ知らず、若松がすでにレジェンドのような存在になっていて、ピンク映画出身の滝田洋二郎がアカデミー外国映画賞を受賞し、「神田川淫乱戦争」で商業映画デビューした黒沢清が世界的な巨匠となり、高橋伴明、磯村一路、廣木隆一、周防正行、瀬々敬久他などなどの日本映画の名監督を数々生み出し、今やTVドラマでは最もメジャーとも言える「相棒」シリーズのメイン監督である和泉聖治を輩出した日本のピンク映画に全く無知な映画マニアなんて、幾ら女性とは言え、そんなのモグリかいつの時代の映画マニアだよとは思う。(苦笑)

そういう、この手のコテコテ喜劇を成り立たせる為のわざとらしいお約束設定がちょっと白々しすぎるが、めぐりを狂言回し的な役どころにして、徐々にめぐりがピンク映画の魅力に気がついていく展開にしているところはわりといい。

撮影現場で女優と間違われて襲いかかられた後、めぐりが呑んだくれの監督に、いい映画を撮ってほしいからとダメだしするシーンもちょっといい。

めぐりはコテコテ喜劇にて、ユルく右往左往する演技がまたまた上手く、まあ結局ありがちな展開のピンクラブコメ映画という感じだが、なんとなく<ピンク映画愛がそこはかとなく感じられるピンク映画>にはなっている。

軽めなテイストの映画だが、まあまあな感じの一篇。






2016/02/27(土) 00:07:21 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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