0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「不良探偵ジャック・アイリッシュ 死者からの依頼」




ジェフリー・ウォーカー「不良探偵ジャック・アイリッシュ 死者からの依頼」、

やり手の刑事事件専門の弁護士だったジャック・アイリッシュ=ガイ・ピアーズは不満を持つクライアントの男に妻を殺されてから弁護士を辞め、パートタイムの借金取りや行方不明者探しの探偵をしながら家具職人見習いをして生きていた。

ある日、引き逃げの罪でムショに入っていた元依頼人からの奇妙な留守電メッセージがあることを、仕事で外出していて随分経ってから知ったジャックは助けようとするが、元依頼人はすでに殺されていた。

ジャックは殺人の真相を探索していくが、徐々にそれが計画的な殺人だということを知る。

その後次々と重要人物が殺されていき、そこには政治がらみの陰謀の影が見えてくる。



オーストラリア・ミステリ界の第一人者と呼ばれるほど評価の高いピーター・テンプルの原作を映像化したハードボイルド探偵サスペンスミステリ映画。

とは言え、ミステリ映画としてもまあまあ、ハードボイルド映画としてもまあまあ、とどのジャンルの要素も程よく抑えてクロスしているような出来で、だから全体的な出来もまあまあである。

ジェイムズ・エルロイ原作の「LAコンフィデンシャル」で好演していたガイ・ピアーズはさすがに人生一回崩壊して不安定人生をやっている探偵役には合っているが、それほど強烈な個性を出しているわけでもなく、ハードボイルド探偵としてキャラがそう立っているとも言い難い。

ラストにナット・キング・コールのCDに内在した不正の証拠によって、一気に悪徳政治家を失脚させる描写は簡潔でいいが、やはりアクションもサスペンスもハードボイルドもミステリ的要素もバランスよく配合されているばかりで、どうもイマイチパンチ力のない出来である。

まあそれ故にまとまった出来とも言えるが、全体的にはまあまあとしか言いようのない作品である。

こじんまりしてることが美点なようで、そこがイマイチなところでもある、可もなく不可もない感じの一篇。
2016/01/26(火) 00:20:56 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1700-7cc38b5c