0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「卑猥 hiwai」

田尻裕司「卑猥hiwai」再見、

郵便局で働きながら、小さな息子を女手で育てている平沢里菜子は、ある時バスでひろし=吉岡睦雄と出会う。

仲良くなった二人は平沢の部屋で何度も絡むようになる。

コオロギ相撲にハマりだした吉岡は、その後昔平沢と関係のあった佐野和宏と勝負しようとするが。




守屋文雄の書いた、月刊「シナリオ」第2回ピンクシナリオ募集入選作「ヒモのひろし」を、劇場公開タイトル「SEX マシン 卑猥な季節」として映画化した作品。

全体的に奇妙な群像劇という感じで、どこか森崎東の昔のアンダーグラウンドな世界を描いた喜劇映画のテイストを想起させる。

ひろし=吉岡睦雄だけでなく、佐野和宏や小林節彦他脇の面々がいい味を出しているのでその個性で見てられる映画になっている。

はっきり言って、吉岡と平沢の絡みはやたらと挿入されるばかりでなんだか毎度唐突すぎる。

それに、そう明確なストーリーラインがあるようには見えないので、いわゆる群像劇としか言いようがない。

しかし、コオロギ相撲に熱中する変な大人たちや平沢の微妙な女の人生、そこに現れた吉岡の存在のストレンジな感じが渾然一体となって群像劇を形成しているので、なんとなく不思議な人々の生きている味を感じながら、荒唐無稽とペーソスと生活感が一体となった世界を楽しく咀嚼することが出来る。

明るいテイストだが、その中にそこはかとない人生のペーソスが感じられるところが出色な一篇。




2015/10/27(火) 02:35:24 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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