0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

追悼 ジョン・ギラーミン




ジョン・ギラーミン監督が亡くなった。

やはり子供の頃の「タワーリング・インフェルノ」や「キングコング」などの超大作の監督の印象が強いが、しかしそんな映画ばかり撮っていた監督ではない。

特にジョージ・ペパードと組んだ「野良犬の罠」「非情の切り札」のような、先の超大作とは真逆のB級ハードボイルドサスペンスの佳作の監督でもあり、この頃のペパードはとても好きだし、特に「野良犬の罠」の探偵PJ=ペパードは最高の裏ぶれ探偵で思い入れがあり、この辺りのギラーミン作品が一番好きである。

しかしこちらの作品ではなく、ギラーミンの出世作は同じペパードと組んだ「ブルー・マックス」の方だったので、それが後々の超大作監督路線に繋がったようにも思える。

他に戦争映画「レマゲン鉄橋」なども撮っているが、こちらもわりと悪くない作品だったし、パトリシア・ゴッジ主演の「かもめの城」のような抒情的な佳作もある。

超大作監督として名を馳せた後に「シーナ」(1984)を撮ったが、これを観た時、ギラーミンというのは当時浮ついた超大作監督の印象が強かったけど、すでに古典的な映画作法の映画作家の部類に入る人なんだなと思い、襟を正した覚えがある。

何故なら1980年代半ばにおいて、すでにああいう古典的な撮り方をする監督は稀有になっていたからで、思えば当時もうギラーミンも60代に入る頃。

この1950年代末期から映画を撮っている、1925年生まれのイギリス出身の監督は、すでに絶滅寸前の古いタイプのベテラン職人監督の生き残りとして、映画を撮っていただけだったのだろう。

そういう意味では「シーナ」も印象深い作品である。

駄作と揶揄される超大作の監督とばかり吹聴されることが多いが、それだけの監督ではない、古いタイプの職人監督だったと思う。

ジョン・ギラーミン監督、ご冥福をお祈り致します。












2015/10/03(土) 00:52:19 R・I・P トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1667-8432d7ba