0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「極道めし」




前田哲「極道めし」再見、

刑務所に傷害罪で入った永岡佑は刑務所の地味な食事に凹んでいたが、それを知って同じ房の先輩囚人4人は永岡の食事を食べてしまう。

刑務所の中では年に一度の正月のおせち料理が格別なものであり、先輩囚人の勝村政信や麿赤兒、落合モトキ、ぎたろーはおせち料理を賭けて思い出の味を語るバトルを毎年やっていた。

最初の落合モトキはムショ入り前の母の味を語り、その話に採点がつけられ、その後も順々に囚人たちは思い出の味を語っていく。





土山しげるの漫画原作の映画化。

あまり刑務所映画らしいギスギスしたアクションや人間関係はなく、ただひたすらゲーム的な思い出の料理語り自慢コンテストが回想交えて中盤から描かれているが、一応どの回想も人間ドラマ的になってはいるが、妙に軽いというかありがちな回想挿話ばかりで、それをコミカルにというよりは可愛らしく描いているので安い感じは否めない。

崔洋一の「刑務所の中」のような、価値観や考え方を変えれば刑務所内は天国だというような捻った面白さもなく、イマイチな回想エピソードをベタな喜劇展開で見せられるばかりだが、長いわりには飽きさせずに見せるし、食い足らないだけでそうつまらなくもない。

永瀬正敏の若い頃を彷彿とさせる、囚人たちに馴染めない永岡佑は中々好演しているし、今ほどブレイクする前の木村文乃の永岡の元カノ役もいい味わいで、最後永岡が出所してから木村に会うまでのシーンには中々恋愛青春映画的な切なさも感じさせる。

ちょっと軽めに描きすぎたことが回想エピソードの安さをより際立たせてしまったところはあるが、やはり長いわりには退屈せずには見られる映画にはなっている一篇。








2015/08/18(火) 00:49:23 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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