0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ベルベット・キス 禁じられた二人の時」




小南敏也「ベルベット・キス 禁じられた二人の時」、

村田宏一郎は莫大な借金を背負わされ、その借金凍結のためには、金持ち令嬢の佳苗るかの言うことを何でも聞くお友達になるという条件を課せられるが、佳苗はわがままばかり言い、村田は振り回され仕事とお友達の掛け持ちでハードな日々を送っていた。

偶然知り合った女性に気があった村田は、佳苗への奉仕のため連絡出来ないことを悔やんでいたが、ある日その女性からメールが来てデートすることになり、村田は舞い上がる。

しかしその日、佳苗から連絡が入る。




ハルミチヒロの漫画原作の実写化シリーズ二作目。

事情を抱えた我が儘娘の相手をさせられる若いサラリーマン村田が、恋愛と佳苗のお相手の間に板挟みになるお話。

佳苗の金持ち一家の複雑な事情とそれに巻き込まれた村田の葛藤を描いているが、もうちょっと時任亜弓の佳苗の父を寝取った女と佳苗の確執がドロドロ描かれたり、村田の恋愛話の真相をミステリー的にでも描けば、深みのある醍醐味がドラマ自体に出たろうに、ただひたすら状況をスタスタ展開させていくだけであまりにもあっさりした描写に終始しすぎているきらいがある。

おまけに最後に明かされる村田の借金の真相からすると、村田はただ巻き込まれ躍らされてただけで、だれが本当の悪役なのか判然としなくなる。

それに実は時任は佳苗の父を奪ったのではなく父に選ばれたのだと最後にわかるのだが、なら尚更村田は勝手な旧家の都合に利用されているだけじゃないかとも思える。(まあ一応佳苗のためという事情はあるものの)

その辺の複雑な事情や、策略を施す時任を描く描写が省略気味に薄すぎて浅いドラマになってしまっている。

せっかく大人な悪女を得意とする時任をキャスティングしていながら、ちょっと勿体無い描き方にすぎる。(個性を出して好演はしているが)

展開はスタスタ進むので、そう退屈はしないものの、何だか全体的に軽くて浅い感じの一篇。




2015/07/18(土) 01:41:52 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

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