0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

追悼 沖島勲




沖島勲氏が亡くなった。

やはり「まんが日本昔ばなし」の膨大な脚本を書かれた方として有名だが、映画監督としては近未来的な世界=日本で表面化するであろう暗部を想像力で具現化したような作品を作る非凡かつ異色の鬼才(または奇才)だった。

「ニュージャック&ベティ モダン夫婦生活讀本」の現代でも闇のブラックボックスである家庭内の隠れた暗部の心理構造を剥き出しにした野心、バブル期に水面下に抑圧されていたテロとリストラの噴出をシニカルに描いた「出張」、エロス的寓話とゴシックホラーが融合したような「したくて、したくて、たまらない、女」、歴史や過去の闇と現代の闇を批評的に交錯させた「YYK論争 永遠の”誤解”」、SF的設定に現代への批判的諷刺を効かせたような「一万年、後…」や、「怒る西行」「WHO IS THAT MAN!? あの男は誰だ!?」などを撮られていた。

世界の無意識の暗部に隠蔽されたものを露呈させようと、そのための裂け目を映画=現実に亀裂として刻みこんでいるような作品をよく作られていた。

そのラディカルな視点と非凡な表現力にはワン&オンリーな才気と強い批評精神が感じられた。

沖島勲さん、ご冥福をお祈り致します。

2015/07/14(火) 00:39:22 R・I・P トラックバック:0 コメント(-)

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