0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「強姦タクシー」

勝利一「強姦タクシー」、

柴田明良は仲間と組んでエリートOLなどを白タクを装っては車に乗せレイプしていた。

ある時タクシー運転手に襲われていた神崎優を助けるふりしてレイプしようとするが、何故か柴田はその気にならず、他の仲間にレイプされて自殺しようとした神崎を助けて盗んだタクシーで送る。

その後柴田はタクシーを乗りまわし、タクシー運転手を装って制服を着た女性を乗せてはレイプするが、ある時乗せた女は神崎で、神崎に免許証を取られ身元がバレていたのもあって、女教師だった神崎の言うことを柴田は聞くようになる。




タイトル通りの内容だが、どうしようもないクズをリアルに描いた作品。

柴田は悪い奴なようで、どこかそうワルでもない風だが、しかしまあ制服フェチでレイプを繰り返すんだから悪党ではあるだろう。

途中レイプされたところを(粗削りにではあるが)神崎は柴田に助けられたと思ってか、レイプされて自殺した教え子の女生徒の話などして、なんとか柴田を真面目にしてやろうとするが、柴田は神崎にはタジタジとなっていくも、レイプやナンパは繰り返すのであんまりまだ改心などしていない感じである。

しかし普通こういう展開なら、最後は柴田が神崎にほだされて真面目になるか、恋愛感情ゆえに悲劇展開を迎えるものだが、この作品はそれとも違い、結局柴田は自分を救おうと親身になってくれた神崎を入った女衒的組織に売り渡してしまうのだから、もうリアルに存在するクズそのものである。

裏切られ売られた神崎が悲壮にレイプされるシーンは女衒的悪役のきくち英一のリアルな味わいもあって中々残酷な場面になっている。

そしてラスト柴田は罪悪感に苦しみながら、あんな女知るか!と叫んでタクシーから出て行ってしまって無人のタクシー内の画でエンドとなるが、柴田はこのままリアルなクズまんまにどこかへ逃げたのかもしれないし、言葉とは裏腹に神崎を助けに戻ったのかもしれないのだが、そこは観る者の想像に任せるという感じで終わる。

行き当たりばったりにレイプを繰り返し盗んだタクシーを乗り回す柴田の行程を追った描写は70年代のヴィム・ヴェンダースの映画を想起させなくもないし、リアルなクズ感が半端なく出ているところなどやお話の展開の残酷味からして、かっての梅宮辰夫の世知辛いスケコマシ映画の末裔という感じもするが、女ではなくあくまで柴田のクズなレイプ犯を主役にした描写に、監督が元々ピンク映画の作り手なのも関係していると思うが、どこか70年代の暗黒レイプピンク映画を思わせるところもある。

柴田の主人公には全く共感出来ないし、こんなどうしようもない最低のクズがどういう顛末を迎えたのかも描かれず切断的に終わってしまうのも半端な終わり方に見えるが、しかしそれゆえに容赦なくリアルにクズを描き得ているとも言えるし、70年代的な展開、描写も悪くなかったりはする一篇。


2015/07/07(火) 00:09:47 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

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