0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「新・極道の紋章」




山本芳久「新・極道の紋章」、

的場浩司はヤクザ組長の息子だがカタギになっていたが、義弟の虎牙光輝はムショから出てきて母・鶴田さやかの取り立て屋を手伝っていた。

その後父である組長の病状が悪くなり、的場のヤクザの兄も敵対組織に殺されてしまう。

的場は怒りを覚えヤクザ社会を立て直すべくカタギからヤクザになる。



新シリーズ一作目。

一見毎度の定番ヤクザ映画のようなお話だが、さすが「日本統一」シリーズの山本芳久監督作らしく、今の取締強化で複雑化したヤクザ社会を綿密に捉え、その中でハングレとヤクザの確執と葛藤や、カタギからヤクザになることの現代的意味をヤクザ側、カタギ側、的場の妻からの視点を絡ませて丁寧かつ多角的視点で描いており、そこにコッポラの「ゴッドファーザー」的深遠すら想起させる。

この絶妙なリアル感と複雑な錯綜状況をキビキビと描き切れる山本監督の力量は、ちょうど深作欣二が東映ヤクザ映画で頭角をあらわしてきた頃やクリストファー・ノーランが「バットマン」シリーズを撮りだした頃の醍醐味と似ており、それがこの監督がタダモノではないことの証だと思う。

小沢和義の好演も秀逸なリアルな臨場感ある秀作な一篇。 2015/04/21(火) 00:30:20 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

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