0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「凍牌 裏レート麻雀闘牌録#8」

小沼雄一「凍牌 裏レート麻雀闘牌録#8」、

前田公輝はヤクザから裏切りを疑われるが信頼を得るため自ら腹を切る。

その状態で麻雀勝負に挑むことを敵対する一條俊は嘲笑するが、ヤクザたちは前田を男として認め出す。

前田に勝ち目はなさそうに見えたが、他の二人の雀士も前田に感化され勝負はわからなくなる。



麻雀漫画の実写化シリーズ最終作。

前田が腹を切り瀕死の状態で麻雀をやっていてもあくまでクールに対応するヤクザたちの描写が世知辛い裏社会のリアリティを出している。

しかしヤクザたちは徐々に前田に影響を受け始めるのだが、そこを情緒的には描かずあくまでクールな麻雀勝負の中で描いているのが秀逸。

本宮泰風は非情なヤクザだから、出血多量で死にそうな前田の腹の傷を何と大型ホチキスで止めて止血するという凄ざまじさで、前田公輝も鬼気迫る熱演で出色である。

そんな血みどろ展開になっても、後半はクールな悪役・一條の側からあくまで麻雀勝負を緻密に描く面白さで、傑作「結び目」他の小沼監督がただ者ではない力量を見せつけていて素晴らしい。

情念と血みどろグランギニョールと男気極道映画とコンゲーム的面白さが全て詰まった傑作な一篇。




2015/01/24(土) 00:12:40 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1595-5b28bbca