0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「荒ぶる魂の華」




OZAWA「荒ぶる魂の華」、

殺し屋でもヤクザでもなくこの世での生存証明もないゴーストと呼ばれるヒットマン・小沢仁志は命の恩人を組の都合で殺すが、代貸の成瀬正孝は組長が病気から復帰することを嫌がり自分が組を乗っ取ろうとしている様子。

小沢を雇う松田一三はそのことに勘づいていたが、組長に臓器提供する韓国人の盲目の女INOAが狙われた時、撃たれて死ぬ。

雇い主が死に小沢は守るINOAに妙に気持ちが動くが、成瀬の雇うゴーストが小沢らを狙っていた。




小沢仁志企画、脚本、監督、主演の殺し屋映画。

ゴーストという殺人者が不遇な女を守る設定がアンドリュー・ヴァックスの「凶手」を想起させるが、白髭のゴースト・小沢にしっとりした哀愁があり、INOAにも独特の哀感と味があるので情緒豊かな最果ての男女のお話になっているし、B級活劇としてもよくまとまった出来である。

小沢仁志監督主演作もいよいよイーストウッドの自作自演活劇に近いレベルに来ているようにすら思えてくる安定感があり、後半の金受け渡しを巡るコンゲーム的駆け引き展開など中々の秀逸さですらある。

定番なお話だし小さなB級活劇だが、安定感と展開の妙と哀愁が入り混じった佳作な一篇。 2015/01/13(火) 02:05:04 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

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