0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「日陽はしづかに発酵し…」




アレクサンドル・ソクーロフ「日陽はしづかに発酵し…」再見、

中央アジアのトルクメニスタンで、ある青年医師は自身の研究を行っていたが、謎の妨害に遭う。

その後も軍の技術者や姉などが青年の研究している思考を引き剥がそうとしてくる。




SF作家ストルガツキー兄弟の原作を設定を変えてソクーロフが独特に映画化した作品。

これは初見はレンフィルム映画祭でその時のタイトルは「日蝕の日々」だった。

レンフィルム映画祭では他のソクーロフの映画も上映されたが、これがダントツだったのを思い出す。

地球に種のように落ちている子供を捉えた映像、天空から移動し落下していくカメラの運動の雄大な見事さと、Rブレッソンのようにプロの役者を使わないことからくる人物の無垢な表情の魅惑などが、SF小説の映画化というものの中でかなり生々しく活写されていて実に秀逸である。

同じロシア圏のタルコフスキー作品以上に、SF小説の見事な映像化というものを超えた、どこか破片的なノイズのアブストラクトな運動が、映画原理と融合し剥き出しになっているような生さが感じられる。

そんな得難い名作な一篇。 2014/10/28(火) 00:54:03 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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