0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「文学賞殺人事件 大いなる助走」




鈴木則文「文学賞殺人事件 大いなる助走」再見、

同人誌で小説を書く佐藤浩市はある時注目されるが、文学賞受賞のため審査員にごますり、賄賂、土下座をし、挙げ句にはゲイの委員に体まで捧げる。

また女好きの委員には恋人の人妻を提供するが、意外な結果が待っていた。




筒井康隆の原作の映画化作品。

筒井氏自身が文学賞に落とされまくった私怨から生まれた原作だが、そういう元々の身も蓋もなさを鈴木則文がダイレクトに身も蓋もなく描いたブラック喜劇映画である。

本物の作家である団鬼六や胡桃沢耕史や原作者の筒井氏が出演している。

中島はるみが人妻役で出ているが(この間熟女向け通販CMで久々に見かけたがあれご本人だよな)中々いい味を出している。

最後は身も蓋もない大殺戮になるが、途中の同人誌文学者の事情の描写に則文作品にしては珍しいほど文学的な抒情と哀愁があり、そこに元は文学青年だった則文監督の一面が出ているように思う。

前にも書いたが蟹江敬三が同人誌作家の哀愁を見事に演じ伝えている。

身も蓋もない映画なようで繊細な映画でもあり、その上で娯楽映画としての面白さがある秀作な一篇。 2014/07/01(火) 00:56:35 東映 トラックバック:0 コメント(-)

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