0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「裸のランチ」




デビッド・クロネンバーグ「裸のランチ」再見、

害虫駆除をやっているピーター・ウェラーは駆除薬を妻が麻薬として使用していることを知る。

その後巨大な虫が出てきて、妻はインターゾーン商会の回し者だから殺せと言われる。

ピーターはロイ・シェイダーの医師から妻を殺すムカデのパウダーをもらってくるが、ウィリアム・テロルごっこをやっていて誤って妻を死なせてしまう。



バロウズの原作を映画化した作品。

話の筋が明確にない原作なため、バロウズの自伝的な挿話などを盛り込んで独特の作品にしている。

クロネンバーグとバロウズの合体世界とも言えるが、巨大な虫だの何だののイメージ造形はかなりバロウズ的センスに満ちたもので、実に丁寧に渾身の映像化を成し得ている。

しかし面白い映画かと言うとやはりお話が明確にない映画だからか、やたらと見世物的に奇妙なものが出てくるわりには大して面白くないし、あまり盛り上がってこない。

ゴタールや鈴木清順映画のような醍醐味は薄い。

タイプライターとゴキブリの合体なども、長閑なおとぎ話テイストで短絡だったりする。

世界観の映像化は秀逸だがそこで終わっているのが実に惜しい一篇。 2014/06/10(火) 00:29:34 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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