0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「エクソシスト3」

エクソシスト3 [DVD]エクソシスト3 [DVD]
(2001/11/21)
ジョージ・C・スコット、ブラッド・ドゥーリフ 他

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ウィリアム・ピーター・ブラッディ「エクソシスト3」再見、

ある黒人の少年が川の近くで首を斬られピエロのメイクをされて殺されていた。

ジョージCスコットの刑事は捜査に乗り出すが、死体にあった双子座の印を見てかっての双子座殺人を想起するも、その事件の犯人はすでに処刑されているため同一犯とは思えなかった。

だがその後聖職者がまた猟奇的な殺され方をし双子座の印が遺体にあったことからスコットは連続殺人の可能性を考える。

やがてかっての悪魔祓いに関わった人間たちという被害者の共通点が浮かび上がる。





「エクソシスト」の原作者であるウィリアム・ピーター・ブラッディが製作・原作・脚本・監督を担当した作品。

はっきり言って子供の頃見に行ってこけおどしホラーだなと思った大ヒットした第一作目の「エクソシスト」なんかよりかなりレベルの高い映画だと思う。

オープニングの異様すぎる映像コラージュの連鎖はゴダール映画をそのままサイコホラーにしたような強烈に異様なものだし、映画自体サイコホラーと憑依のオカルトホラーの境界線が消滅してしまっているような独特さで、後の黒沢清の傑作ホラー映画群はこの映画の影響をかなり受けているだろうと思う。

途中のロングショットで長々捉えられた画面にいきなり何気なく殺人者の凶行が映るシーンなどに特にそれを思う。

言わば80年代後半いきなり出てきた「LA大捜査線 狼たちの街」や「刑事グラハム 凍りついた欲望」や北野武の「その男、凶暴につき」のようなサイコな刑事映画の不気味な気配をダイレクトに引き継ぎつつ、それを黒沢清の「CURE」や「カリスマ」に橋渡したようなところに位置している映画とも思える。

そういう意味でもかなり重要な作品だと思う。

それにしてもイマイチに思った「エクソシスト」を原作者が監督してここまでの異色の傑作にするその合間に、その一作目を撮ったウィリアム・フリードキンの「LA大捜査線」的な狂気の影と気配が感じられるというのも意味深で面白いが、公開時に見た時はさすが原作者は違うなとやはり思ったものだった。

冒頭のイメージ連鎖の映像の異様さは今でも色褪せていないし、やはり中々の異色の秀作だと思う一篇。
2014/05/04(日) 14:47:35 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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