0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「現金に手を出すな」

現金に手を出すな HDマスター [DVD]現金に手を出すな HDマスター [DVD]
(2013/01/25)
ジャン・ギャバン、ルネ・ダリー 他

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ジャック・ベッケル「現金に手を出すな」再見、

ジャン・ギャバンと相棒は老いたギャングで空港から金塊を強奪したがその後足を洗うつもりだった。

しかし相棒はクラブの女に金塊の話をしてしまい女は裏組織のボスの情婦だったため彼らは狙われ、一度はギャバンに匿われる相棒だが、ギャバンに甘さを指摘されるも、一人で乗り込んで拉致される。

ギャバンは相棒を取り戻すため反撃に出る。



実際に犯罪者だった原作者の小説を映画化したフレンチ暗黒街ギャング映画。

しかし映画自体には哀愁のハーモニカが響く、実に映画音楽の名曲っぽいグリスビーのブルースが小気味よく鳴り響き、老いたギャングを描いた映画ではあるが、イーストウッド映画のような重い老いの感触はなく、原作は随分シビアなようだが映画はわりと軽妙な感じもする老人ギャング映画になっている。

アメリカのギャング映画のような派手さもないが、ヨーロッパ的な暗い暗黒街映画の感じも薄く、いかにもジャン・ギャバンが適役のわりと楽しい感じすらあるギャング映画になっている。

たぶんジャン・ギャバンのような、老いたギャング役が絵になりすぎる男の老いについて描いても、ただスタイリッシュなものに見えてしまうからだろうし、ジャック・ベッケルのタッチも簡潔にして快調に描かれているのでそう思えるのだろう。

テーマ曲は確かに哀愁のメロディーだが、それもあまりにも決まりすぎているので寧ろ楽しいいかにもな哀愁のメロディー映画音楽に聞こえてしまうところもある。(苦笑)

しかしまあ暗くて重くシビアなばかりが老いの映画でも暗黒街映画でもないだろうし、このぐらい端的に面白い出来のギャング映画になっていればこれはこれで中々の佳作だと思うし、ベッケルのタッチも中々いいものである。

リノ・ヴァンチェラはこれが映画初出演らしいが最初からいい味を出している。

フレンチノワール暗黒街映画の先鞭をつけた作品でもあり、その意味では最初からかなり面白く飛ばした映画だとは思う一篇。










2014/05/02(金) 13:41:10 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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