0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「チャイナ・シャドー」

柳町光男「チャイナ・シャドー」再見、

1997年、中国への返還が押し寄せる香港で過去を持つ野心家の実業家・ジョン・ローンは裏の力と繋がって成功し暗躍する。

しかし断ち切った過去の女とのことで苦闘に巻き込まれていく。




柳町光男とジョン・ローンがタッグを組んだ作品。

しかしながら公開時には大きな期待があったが、出来はさっぱりの映画である。

ジョン・ローンは最盛期の頃だからただ映っているだけで存在感があるし絵になっているのだが、ドラマ自体はまどろっこしい上にどうにもピントのずれた映画になっていて、なんともイマイチな映画である。

世界を股にかける実業家が世界情勢に挑んで巻き込まれていく話がどうにもバラついたドラマになってしまっているし、柳町光男がさっぱりドラマを絞り込めておらず、制作費のかかった映画をまとめきれていない感じで、傑作「十九歳の地図」のような充実も切れ味もない。

佐藤浩市も中途半端な役で持ち味を出せていない。

しかしサントラを担当した清水靖晃の音楽は実に素晴らしく、清水は何度か音楽担当で柳町映画と組んでいるが、この映画ではサントラ盤自体が清水のソロアルバムとなっており、坂本龍一のサントラと双璧を成す素晴らしさである。

この映画は清水のサントラだけが出色だが、映画自体は存在感のあるジョン・ローンを生かしきれていない、なんともチグハグで残念な出来になってしまっている一篇。


チャイナ・シャドー [VHS]チャイナ・シャドー [VHS]
(1990/12/21)
ジョン・ローン、佐藤浩市 他

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“SHADOW OF CHINA”“SHADOW OF CHINA”
(1990/05/21)
サントラ

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十九歳の地図(廉価版) [DVD]十九歳の地図(廉価版) [DVD]
(2006/03/24)
本間優二/蟹江敬三/沖山秀子/原知佐子/白川和子/中島葵/竹田かほり/山谷初男/柳谷小三治/中丸忠男

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2014/04/20(日) 13:59:25 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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