0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「神隠しのキャラメル」

酒井麻衣「神隠しのキャラメル」、

松本大地はある時から妹が消えてしまい、妹を探しに行くが、妹は有名子役が作った子供の国にいた。

そこから妹を連れ戻そうとして子役と松本は話すが。





子供の心の繊細な問題を描いたような作品。

ファンタジックな設定だが、寧ろリアルな子供の気持ちを前面に出して剥き出しで描いているような映画で、最初は子供の世界の味方にも見えた(つまり失踪した妹の味方)松本が、実は子供なのに子供(妹)の気持ちを理解していなかったことが発覚する展開となる。

それによりこの映画は、単に子供の気持ちをわかってくれない大人と、無理に役者の仕事をやらされてきた人気子役に代表される大人に気持ちを阻害されている子供の対立を描いた単純な図式の映画ではなく、寧ろ子供同士の中ですら子供の深層心理は理解されにくくわかられにくいことを描いた意味深な映画になっていく。

現に、無理に役者の仕事を強要する親から逃げてきた人気子役の女の子は、弟の母親と離れて暮らす寂しい気持ちに気づいていなかったりする。

ファンタジックな設定を子供の世界でやっているが、これは大人の世界でも十分代替可能な、深層心理が理解されない現実を巡るリアルなお話である。

特別出演で永瀬正敏が出ているが、永瀬はどうも大人と子供の間にいるハーメルンの笛吹きみたいな大人な感じだが、役にはよく合っている。

一見、短絡的な図式の映画なようで、徐々に繊細な深層心理の意味深さで映画が満たされ、実にメロウネスな味わいが感じられる映画になっていく、中々の佳作な一篇。


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2014/03/30(日) 13:55:30 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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