0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「すべてはALL-NIGHT」

中村祐太郎「すべてはALL-NIGHT」、

「ぽんぽん」を撮った中村監督が二作目の製作をしようとするも、何故か大学側から予算がおりず、大幅に予定を変更して作られた映画。

その話がネタではなく本当なら、その予定変更を余儀なくされた怒りと深夜撮影の連続ゆえに錯乱していったことが映画を実に魅力溢れるものにしている映画である。

ほとんど破綻寸前で支離滅裂な構成と行き当たりばったり感が出まくっているところに作り手の怒りなのかパッションなのか、はたまた映画の潜勢力なのかわからんものがバンバン露出していて、まるで一時期の中原昌也の小説すら想起させるフリーダム感と支離滅裂なパッションを感じさせる映画になっている。

構成的にヘンテコなドキュメント的シーンや音楽シーンなどが重なり合っていき、まとめ方などにはゴダールを意識している感も出ているが、しかしそんなものが戯れ言に見えるほど映画の崩壊寸前の醍醐味が魅惑的で、全体的に情けないショボさもあるが、そこがまたいい味わいというか映画自体の奇妙なパッションを魅力的にしていてかなり良い。

途中挿入される町あかりの昭和アイドル歌謡風の不思議な魅力の楽曲の感じが、またこの崩壊寸前&支離滅裂寸前の映画によく合っていて、実に愛すべき映画である。

こういう映画は意外と昨今少ないだけに(まあ作ろうと思って作れるタイプの映画でもないだろうし)そういう意味では、中村監督の秀作の誉高い、前に書いた「ぽんぽん」より好きな異色の怪作な一篇。


町あかり全曲集 その1町あかり全曲集 その1
(2013/10/30)
町あかり

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2014/03/28(金) 13:42:46 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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