0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ぽんぽん」

中村祐太郎「ぽんぽん」、

小川貴史はシナリオライター志望で恋人と同棲しながらバイト生活をしていた。

一方ある女性は風俗で働いていたが他の女性とは馴染めず上から物を言っていた。

小川の後輩が同じ店で働いて金を得ていたのだが、久々に会ってしっかりしてきた後輩に小川は頼もしさを感じていた。

だがある日小川はその風俗の女性と遊んだ後ハマってしまい、店のルールを破って問題視されているその女と外でも会うようになる。




中途半端な人生を生きる男女を描いた悲劇的な映画。

人物を生々しく活写しているので、お話はありがちなものだが、そこに切実な痛々しさも感じられる。

主人公がバイト仕事で家のポストにチラシを入れていくシーンの移動撮影が70年代のヴェンダース映画並みに決まっていたり、風俗嬢との恋愛がバレて自暴自棄になり、絶望的に固まっている主人公の表情の顔色の変化で微妙な絶望感を表現していたりと、フィルムで撮影した映画でも中々出ない映画的繊細さが描出されていて、そこに監督の映画的な才気が感じられる。

テーマ曲を歌っているのは「もぐらたたきのような人」などの奇妙な昭和アイドル歌謡風の曲を歌っている町あかりだが、この映画のテーマ曲はわりと普通に情緒的な曲だったりする。(町は脇で出演している)

お話や設定はありがちだが、随所にかっての台湾映画のような映画的生々しさと現実の生さが感じられる秀作な一篇。


町あかり全曲集 その1町あかり全曲集 その1
(2013/10/30)
町あかり

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2014/03/11(火) 13:31:48 その他 トラックバック:0 コメント(-)

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