0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ナイアガラ」

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(2011/02/17)
マリリン・モンロー、ジョセフ・コットン 他

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ヘンリー・ハサウェイ「ナイアガラ」再見、

マリリン・モンローは夫のジョセフ・コットンが精神を患っているかのように思わせて、愛人と共謀して夫を殺す計画を立てるが、愛人は夫を殺そうとして逆に夫に殺されてしまう。

夫のコットンは徐々に妻のモンローが自分を殺そうとしていたことに気づく。





マリリン・モンロー主演の映画。

モンローウォークを披露した、モンローが歩き去っていく後ろ姿を撮ったロングショットばかりが有名だが、内容自体は実は血生臭い破滅的なノワール犯罪映画である。

マリリン・モンローのハリウッド黄金期を象徴するような華やかな存在感があるから恋愛サスペンス映画みたいに思われているが、もしモンローが大スターじゃなかったら陰惨な悪女もののノワール犯罪映画という枠組みばかりで語られていたかもと思える映画である。

新東宝の悪女ものノワールB級犯罪映画には基本的にこの映画と似たような構図があったし、もしモンローがエヴァ・ガードナーやリタ・ヘイワーズぐらいの人気女優だったとしてもやはりノワール犯罪映画と呼ばれたことだろう。

それぐらいこの映画のモンローはモロ悪女役だし、その扇情的すぎるフェロモンもまさにノワール映画のファムファタールそのものである。

やはりモンローが大女優になっていなかったらたぶん彼女はファムファタール女優と呼ばれてもいたかもしれないなと思えてくる。

だがモンローの実人生の不可解さや謎はまさにノワール的なのだから、案外この映画のモンローにはかなりリアルに生々しいものが露出しているのかもしれない。

最後も実に悲惨というか陰惨かつ破滅的な終わり方だし、途中の夫のジョセフ・コットンを殺そうとするまでのシーンも中々のスリラータッチでノワール映画としての魅力がある。

最後に、陰惨な事態に巻き込まれて破滅するジョセフ・コットンの表情にもヒッチコックの「疑惑の影」で悪役を演じた時ともまた違った陰惨な凶暴さが感じられる。

ただ華やかなハリウッド黄金期のイコン、マリリン・モンローの映画としてばかり見られるだけでなく、やはり陰惨なノワール映画としてもっと遇するべきだと思える佳作な一篇。
2014/02/21(金) 13:53:27 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

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