0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア (デジタルニューマスター版スペシャル・エディション) [DVD]ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア (デジタルニューマスター版スペシャル・エディション) [DVD]
(2009/01/28)
ティル・シュヴァイガー、ヤン・ヨーゼフ・リーファース 他

詳細を見る


トーマス・ヤーン「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」再見、

余命宣告を受けた男二人はある時病院を抜け出し、冒険に出るように車を盗んで飛ばしまくるが、それはギャングの車で中には大金が入っていてギャングに追われる羽目になる。

だが余命宣告を受けて怖いものなしの二人は暴れ回る。




ドイツのアクション映画。

何年経っても評判いいがちっとも面白いとは思えない映画。

初見の時は期待して劇場に観に行ったのもあって、駄作というほどではないものの、かなり期待外れな気持ちになり落胆したものだった。

だいたいこの余命宣告を受けた若者が自由に行動して暴れ回るという設定の出来過ぎぶりがどうにもシラける。

それに余命宣告 を受けた者の輝きと悲しみなんてパターンは、余命短い恋人との恋愛と死の悲しみを描いたあの一時期流行りまくった安いお涙恋愛映画と同じパターンであり、実に安いベタなものだ。

この安い泣ける映画のパターンをロック系青春アクション映画にしただけの低劣さ(何でもボブ・ディラン出してこりゃ(タイトル)立派に見えると思ったら大間違いだ)とタランティーノ映画をタラほど捻りも工夫も施さずにゲームのアクションシーンみたいに撮ったものを合体させたような、何もかも見え透いているこんな映画を喜んでやがる奴が一杯いることがとても信じられない映画である。

当時はタランティーノに影響受けてる映画は多かったけど、まあそのこと自体には歓迎的だったのだが、しかしながらこうまでタ ランティ ーノのPV的な腰の据わらん物真似アクションと安い泣けるお涙恋愛映画のパターンの合体が出来過ぎなものを何の因果で絶賛しなきゃならんのか、としか言いようがない。

アクション映画で命懸けの奴なんて山ほど出てくるし、この主人公のどこにペキンパーの「ワイルドバンチ」や「ガルシアの首」の死へとダイビングするあの悲しいまでに無茶苦茶な衝迫があるというのか。

当時Vシネマでよく脚本を書いていた武知鎮典脚本作におけるヒットマンたちの、まるで死者がヌルい極道社会でメーター振り切った暴力性で弾けまくり、生も死も超えた、どこにも立脚点のない暴発をしていた者たちの過剰な突き抜けがこんな映画にあるとはとても思えない。

好きな題材だが、ただの茶番としか言いようのないなんとも残念な一篇。
2014/01/28(火) 13:35:46 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://shoheinarumi.blog18.fc2.com/tb.php/1473-60b79ab3